じゃあ、私の薬は
明日からどうなるの?

――国内で約8500人が使ってきた薬

10/22 23:17 / 発信国:日本 / 記者:宮村

タブネオス、厚労省が原則中止 約8500人が使った薬、次は何に替える

厚生労働省が10月21日、血管炎の治療薬「タブネオス」の投与を原則やめるよう、全国の医療機関に通知を出した。新しく飲み始める人には出さない。すでに飲んでいる人も、中止か、別の治療への切り替えを検討する。

理由は二つある。一つは死亡だ。製造販売元のキッセイ薬品工業は5月、重い肝機能障害で国内の20人が亡くなったと発表していた。時事通信によると、報告は10月21日の時点で23人に増え、6人は薬との関係が否定できないという。胆管消失症候群も22人に出て、13人が亡くなっている。

もう一つは、承認の土台だ。日本経済新聞によると、根拠になった国際共同の試験は、最初の解析では比べた薬に勝てていなかった。そのあと9例を外部の専門家が再判定したが、再判定にかける症例を選んだ人は、どちらの薬を飲んだ患者かを知っていた。盲検が崩れていたことになる。PMDAは、この成績を有効性の裏づけに使うのは不適当だと判断した。米国は4月に取り消しを勧告し、欧州は8月に承認を取り消している。

やめた人が戻る先は、ステロイド

では、いま飲んでいる人は何に替えるのか。タブネオスは2021年に承認されたANCA関連血管炎の薬で、キッセイ薬品の発表では、ステロイドを減らしたり短い期間で済ませたりできる選択肢として期待されていた。やめた人が戻る先は、タブネオスが減らすはずだったステロイドか、それを組み合わせた治療になる。通知は「患者の状況に配慮しつつ」と添え、切り替えが済むまでの間、必要な場合は、ブルーレターを踏まえて使い続けてよいとした。

分かっていないこともある。23人のうち、残りの死亡と薬の関係は示されていない。どの治療に替えるかも、通知に細かくは書かれていない。研究班は7月、根拠の論文が取り下げられたのを受けて、診療の指針からこの薬の推奨を削除した。キッセイ薬品は「現時点で通知内容を把握していない」と話している。

ネットの評判

ネットの書き込みを集めたサイトには、「死にすぎやろ」「こええよ」と驚く声が並んだ。治験の話だと受け取った人もいて、「事前に説明して納得して治験受けてるわけだし」という書き込みもあった。ただ、亡くなったのは承認後に処方されて飲んでいた人たちだ。いま飲んでいる本人がどう動けばいいのかという声は、目立っていない。

国内でこの薬を使った人は、4月27日の時点で約8500人と推定されている。厚労省は年内をめどに、承認取り消しの可能性も含めて処分を決める。次に出るのは、その結論だ。

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