この方法、娘にもやったことがある
歯磨きを嫌がる犬を動かした飼い主
写真はイメージ Photo by Milli on Unsplash
歯磨きを嫌がる犬を動かしたアヒルのぬいぐるみ 何をしたのかは、投稿に書かれていない
2026年10月4日の朝、Xに1本の投稿があった。投稿したのは、こまち@彩さん(@komachiaya_)。前の夜、飼っているコーギーのこまちが歯磨きを拒否して、全然来なかった。そこで飼い主が持ち出したのが、アヒルのぬいぐるみである。
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投稿の文はこうだ。「昨夜、歯磨きを拒否して全然来ないから アヒルに力を貸してもらった そしたら 私の歯ブラシよ!と言わんばかりに あっという間に近づいてきたよ」。歯ブラシから逃げていた犬が、自分の足で近づいてきた。
ただし、アヒルに何をしてもらったのかは、一行も書かれていない。分かるのは「力を貸してもらった」ということだけだ。その夜の歯磨きが無事に終わったのかも、投稿には出てこない。
投稿と返信をまとめたページ(Togetter)には、「ヤキモチ作戦成功だ」「嫉妬してるのかな?かわいい」といった返信が並んだ。焼きもちだろう、という見立てである。
犬の焼きもちを調べた研究はある。クリスティン・R・ハリスとキャロライン・プルヴォストが2014年に学術誌PLOS ONEで発表した論文だ。36頭の犬を1頭ずつ自宅で試し、飼い主に3つのことをさせた。吠えてしっぽを振る犬のぬいぐるみを、本物の犬のようにかわいがる。カボチャ型のバケツにも同じようにする。子ども向けの本を声に出して読む。犬のぬいぐるみをかわいがったときだけ、犬は飼い主やぬいぐるみを押したり触ったりし、飼い主とぬいぐるみの間に割って入ろうとした。4頭に1頭は、ぬいぐるみに噛みつくそぶりを見せた。本を読んでいるときは、犬が飼い主も本も無視している時間が長かった。
ただし、犬が強く反応した相手は、犬に見えるぬいぐるみである。86%の犬が、その肛門のあたりを嗅いだ。本物の犬として扱っていたわけだ。アヒルは、どう見ても犬ではない。この夜のアヒルがなぜ効いたのかは、論文からは説明がつかない。
それでも、この一件でいちばん働いたのはアヒルである。説得していない。追いかけてもいない。何をしたのかは、投稿のどこにも書かれていない。それで「力を貸してもらった」と感謝され、歯磨きを拒否していた犬を動かした側に数えられた。
飼い主は、こうも書いている。「この方法、娘にもやったことがある 人も犬も おんなじだ (チョロいぜ)」。別の返信では「3人目の子育てしてる感じ」とも書いていた。娘に使ったのは同じ手で、同じアヒルだったとは書かれていない。
アヒルが次に何の囮にされるのかは、投稿には書かれていない。
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