運転手のいない車、乗れる?
- 運転手が座っていないタクシーが、東京の街を走る計画が進んでいます。タクシーアプリのGO、Waymo、日本交通の3社が、2027年中に完全無人のタクシーを東京で走らせることで合意しました。まずは100台規模から始める計画です。今は都内7区で、乗務員が運転席に座ったまま試験走行が続いています。
- 「タクシーの無駄話って、ほんと要らない」
- 「何かあった時に、誰もいないのって怖くないですか?」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 無人でいい派 の言い分
行き先を告げたあとの沈黙が、わたしはずっと苦手でした。ミラー越しに目が合うと、何か話したほうがいいのかと考えてしまいます。天気の話、道が混んでいる話、最近の若い人はという話。こちらは疲れて乗っているのに、相づちを打つ仕事が増えるだけなんです。
夜勤明けに乗った日、運転手さんに勤め先を聞かれました。正直に答えたら、その職業はやめたほうがいいという話が、着くまでずっと続きました。その日からわたしは、乗る前に必ずイヤホンをつけます。眠っているふりをするためです。乗り物にここまで気をつかう自分が、だんだん嫌になりました。
人と話すのが好きな人は、人の乗っている車を選べばいいと思います。わたしが言いたいのは、黙って座っていられる車も選べるようにしてほしい、それだけです。機械は冷たいとよく言われますが、黙っていてくれる相手のほうが、わたしにはよほど優しく感じます。
あなたが味方した 運転手がいてほしい派 の言い分
わたしは車に乗り込むとき、必ず運転席の人の顔を見ます。この人になら、着くまでの時間を預けられるかどうか。変な言い方ですが、そこに人が座っているというだけで、肩の力が抜けるんです。
母を病院に連れて行った日のことが、今も忘れられません。母が途中で気分を悪くしたとき、運転手さんはすぐに路肩へ寄せて、窓を開けて、母が降りるのを支えてくれました。わたしは後ろでおろおろしていただけです。あの車の運転席に誰も座っていなかったらと考えると、今でも手が冷たくなります。
無人の車が便利なのは分かります。ただ、何かが起きたその場で、判断してくれる人がいません。あとで会社に電話してくださいと言われても、困っているのは今なんです。話しかけられるのが嫌だという気持ちも分かりますが、こちらが黙っていれば、最後まで黙っていてくれる運転手さんだっています。
どちらにも呼ばれない立場 これから運転手になるつもりだった人
わたしは乗る側でも、今運転している側でもありません。この仕事に就こうと思っていた側です。席が減るという話は出ても、まだ座っていない人間の席は、誰も数えてくれません。乗り心地の話が進むほど、自分の行き先だけが先に消えていきます。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →ロボタクシー2万台と東京進出 業界が示した答えは「採用を止める」