スターリンクの規約違反なので
速度を落としました
――ドローンと防空が止まった
写真はイメージ Photo by Bernd 📷 Dittrich on Unsplash
マスク氏「ウクライナ軍が規約違反」 ゼレンスキー氏顧問は「物理的に無理」
イーロン・マスク氏が10月24日、自分のXに「ウクライナ軍はスターリンクの規約に違反し、人を殺すための攻撃用ドローンに使った」と書いた。「その抜け道は先週ふさいだ」とも書いた。先週ウクライナで衛星通信が急に遅くなり、ドローンと防空が動かなくなった。その理由の説明だ。本当にそう?
軍の反論は、時速70キロという数字
翌25日、ゼレンスキー大統領の技術顧問セルヒー・ベスクレストノフ氏が、ネット上でこう書いた。「イーロン・マスク氏がウクライナでのスターリンクの制限を知らないのは、とても奇妙だ」
出してきたのは数字だ。ウクライナで民間版のスターリンクにつないだドローンは、時速70〜90キロを超えると使えない。ロシア領の上では、そもそもつながらない。「だから我々は物理的に、遠くや中距離の攻撃に民間のスターリンクを使えない」。時速70キロは、高速道路を走る車より遅い。
元国防省ドローン顧問セルヒー・ステルネンコ氏も「技術的に不可能だ」と話した。動きながら衛星につなぐには、特別な一覧に登録して、軍用のスターシールドを使う必要があるからだという。
誰が絞ったのかは、まだ分からない
先週の制限は、時速100マイル(約160キロ)を超えて動く端末の回線が切れるものだった。本誌もこの話を伝えた。ウクライナ側は、24日に速度が戻り、いまは時速250マイル(約400キロ)でも安定していると言う。
では、誰が絞ると決めたのか。マスク氏は「スターシールドは別のシステムで、米国政府が握っている」と言う。トランプ大統領は自分が指示したとは認めず、「要は、彼が元に戻した」と話した。バンス副大統領は、ホワイトハウスとマスク氏のやりとりをにおわせた。
ネットの評判
Xではマスク氏の投稿に批判が目立ち、本人は反論する側を「血に飢えた戦争屋」と呼んだ。「ウクライナの最後の男が溝で死ぬまで戦争を続けさせたいのだろう」とも書いた。一方で、同調する利用者もいる。「ゼレンスキーは辞めるべきだ」と書いたXの利用者に、マスク氏は「そうだ」と返した。
ウクライナは、ノキアやICEYEと組んで自前の衛星通信を作り始めている。次に出てくるかもしれないのは、絞ると決めたのが米国政府なのか、マスク氏のスペースXなのかを示す、文書か記録だ。
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