何の魚か分からない切り身、買う?
- スーパーで買った白い切り身が、サバではなく「バサ」だった、という投稿が広まりました。バサはナマズ目パンガシウス科の魚で、骨取り・皮なしの切り身として安く売られています。業務スーパーの表示では脂質が100gあたり0.6g、まさば(生)は16.8gでした。
- 「名前を知らなくても、うまけりゃ勝ち」
- 「何の魚か分からない物は、口に入れない」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 安くて楽なら買う派 の言い分
夕方の魚売り場で、私が最初に見るのは値札と、袋に書かれた「骨取り」の文字です。何の魚なのかは、正直、後回しです。白くて厚みのある切り身が安く積んであれば、私は迷わずいくつもカゴに入れます。家に帰って、塩をふって、粉をまぶして、バターで焼く。それだけで子どもが黙って食べるので、うちの台所ではそれが正解なんです。
共働きなので、夕飯の支度にかけられる時間はわずかしかありません。昔は一番安い切り身を買って、骨を一本ずつ抜いていました。あるとき、下の子が喉に骨を刺して、夜中に病院へ走ったことがあります。あの日から、骨のある魚を平日に出すのはやめました。骨を抜く手間と、あの夜の心細さを、切り身の値段で避けられるなら、私には安い買い物です。
正体を気にする人を、ばかにする気はありません。ただ、鮭でも鱈でも、どこでどう育った魚なのかを全部言える人が、どれだけいるんでしょうか。名前を知っていると思い込んでいるだけで、知らないことの量は、私とそう変わらない気がします。だったら私は、今日の晩ごはんが無事に終わるほうを選びます。
あなたが味方した 正体を確かめる派 の言い分
私は切り身を手に取ったら、必ず裏返して、原産国と魚の名前を読みます。読めない名前が書いてあれば、その場で棚に戻します。「白身魚」とだけ書いてある袋は、一番買いたくありません。何の魚か書けない事情があるのだろう、と思ってしまうからです。買い物にかかる時間は人より長いですが、私にとっては、これが買い物です。
実家が小さな食堂をやっていて、父はいつも、仕入れた魚の名前を紙に書いて厨房に貼っていました。お客さんに聞かれたら答えられるように、という理由でした。子どものころの私は、それを面倒なことだと思っていました。でも、名前を言えない物をお客さんに出すのは怖い、と言ったときの父の顔を、今でもよく覚えています。家族に出す物も、同じだと思っています。
安いのには安い理由があるはずで、その理由を知らないまま得をした気になるのが、私にはどうも落ち着きません。おいしいかどうかの前に、自分が何を食べているのかを知っていたいんです。味で納得してしまえば、それ以上は調べない。その癖がつくことが、一番怖いと思っています。
どちらにも呼ばれない立場 選ぶ余裕がない人
正体を確かめる派も、安くて楽なら買う派も、選べる人の話です。私の場合は、財布の中身で今日の夕飯が決まります。白身魚が安ければ、それを買います。名前を知りたい気持ちはありますが、知ったところで、買うものは変わりません。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →「バサ」の正体はナマズの仲間 サバと値段・脂質を比べてみた