骨取り皮なしのサバなんて
珍しいなーと思って
――ある買い物客が、Xへの投稿で
写真はイメージ Photo by Geoffrey Moffett on Unsplash
「バサ」の正体はナマズの仲間 サバと値段・脂質を比べてみた
スーパーの魚売り場で、「骨取り」「皮なし」と書かれた白い切り身を、なんとなくカゴに入れたことはありませんか。
Xに投稿されたある買い物客の話が、まとめサイトやはてなブックマークで広く読まれています。サバだと思って買った切り身が、家で焼こうとした時点で「バサ」だったと分かった、という内容です。
Xでこの投稿を見る
投稿には「ねぇ 『バサ』って何…? サバと見間違って買ってしまい😂」「初めて出会った バサ…🐟 誰…」と書かれていました。筆者も、売り場でこの名前を見た覚えはあるのに、何の魚かは答えられませんでした。
結論から書くと、バサはナマズ目パンガシウス科の魚で、2024年には1万668トンが日本に入ってきています。今回は、この魚がサバとどう違うのかを、値段と成分の数字で比べました。
「バサ」とは何の魚か
水産専門紙のみなと新聞の用語解説によると、パンガシウスは「ナマズ目パンガシウス科に属する魚の総称」です。日本では「バサ」や「チャー」の名前で売られています。
味は淡泊で、フライやムニエルに使われます。ウナギの代用魚として、かば焼きに加工されることもあるそうです。
日本の貿易統計に初めて計上されたのは2012年でした。2024年の冷凍フィレーの輸入量は過去最高の1万668トンで、全量がベトナムからです。CIFの平均は1キロ480円でした。
ベトナムの養殖量は2023年に約180万トン。世界全体では688万トンに上ります。
ややこしいのは、「バサ」と書かれていても、その魚がバサとは限らないことです。
岐阜県の水族館アクア・トト ぎふのスタッフが書いた記事は、ベトナムで養殖されている種として、学名Pangasianodon hypophthalmusの「カイヤン」と、Pangasius bocourtiの「バサ」の二つを挙げています。ただ、切り身の状態では、「どちらかの可能性が高い」として種を特定していません。
魚の図鑑サイト「市場魚貝類図鑑」は、カイヤンを「チャー」の名前で別に載せています。そこでは身質を「サワラなどに近く」と説明していました。
売り場の二文字は、一種類の魚の名前というより、グループのあだ名に近いようです。
値段と成分をサバと比べてみました
まず値段です。イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の「ASC認証 骨取り・皮なし白身魚(ベトナム産 パンガシウス)」は、280gで本体398円、税込みで429.84円でした(イオン北海道のネットスーパー)。100gあたり税込み約154円です。アクア・トト ぎふの記事では、パンガシウスが「99円/100g」、隣のサケが「250円/100g」だったと書かれています。
次に成分です。業務スーパーの「白身魚のフィレ(パンガシウス)」は、100gあたりエネルギー61kcal、たんぱく質13.7g、脂質0.6gと表示されています。一方、文部科学省の食品成分データベースでは、まさば(生)が100gあたり211kcal、たんぱく質20.6g、脂質16.8gです。
表示されている数字をそのまま並べると、脂質の差は約28倍。同じ「切り身」の顔をしていても、脂の多い青魚と、脂のほとんどない淡水の白身魚で、中身は別物でした。売り場で見間違えた人が、焼く段で気づいたのも無理はないと思います。
骨と皮の手間も違います。イオンは商品説明で「くせがなくふわっとした食感の白身魚です。骨を取っており皮なしなので手軽に使うことができ」としています。ASC認証を取得したパンガシウスを使う、とも書いていました。
調理のコツも、トップバリュが公式サイトに挙げています。表面の余分な水分を拭き取る、お酒をふる、粉でコーティングする、などです。
味の方は、前述の水族館スタッフがムニエルにしていて、「外はカリカリ、中はふっくらと仕上がっています」「魚肉自体にクセはなく、バターの香りとよく合っています」と書いていました。脂肪分が少なく、においも気にならなかったそうです。
筆者も、投稿者と同じバター焼きに挑戦。
初めての食材なので、ちょっと気合い入れて、ちゃんと作りましたよ。
塩コショウで下ごしらえ、小麦粉まぶして片面焼いたのち、白ワインでちょい蒸し焼き。
もう片面に焼き目をつけて、仕上げにバター、そして醤油投入!
完璧でしょ。
癖のないほんとに食べやすい白身です。
火を通した魚は硬くなりがちですが、バサくんは柔らかくて食べやすいですね。
ネットの評判
元の投稿に付いた返信には、驚きよりも実用的な声が多く並びました。
あるユーザーは「うちの子達の大好物パンガシウス」と書き、「安いし揚げても焼いてもほわほわで美味しい」と続けていました。臭みの対策を書き込んだ人もいます。「塩振って水分を抜いたり、牛乳に10分つけたり」する方法です。投稿者がバター焼きにしたことには、「バサとバターの相性いいから正解だね」という返信が付きました。
一方で、正体への引っかかりも残ります。「バサwwwどなたww」という反応や、「何にも表示のない白身魚は大体これですよね」という声、「ほぼナマズだけど」と言い添える書き込みもありました。
安くて手間がないなら買う人と、何の魚か分からないものは買いたくない人で、受け止めは分かれています。
まとめ
バサは2012年に日本の貿易統計に載り、2024年には1万668トンまで増えました。それだけの量が、名前を知られないまま売り場に並んでいたことになります。
業務スーパーの表示では、脂質は100gあたり0.6g。まさば(生)の16.8gとは、はじめから別の魚です。安いのも、ふわふわなのも、そのせいだと筆者は受け止めました。
売り場で見かけたら、まず切り身の裏にある原産国の表示を見てみてください。たいていはベトナム産の、ナマズの仲間です。
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
高校が遠くなると、
お金がかかる
――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声
- 【無料】基礎から分かる水産用語<256> パンガシウスとは|みなと新聞
- パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない|世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ
- チャー(パンガシウス)|市場魚貝類図鑑(ぼうずコンニャク)
- 骨取り!皮なし!いろいろな料理に使いやすい白身魚パンガシウス|TOPVALU(イオン公式)
- トップバリュ ASC認証 骨取り・皮なし白身魚(ベトナム産 パンガシウス)(冷凍)280g|イオン北海道eショップ
- 白身魚のフィレ(パンガシウス)|業務スーパー 商品紹介
- 魚介類/<魚類>/(さば類)/まさば/生|食品成分データベース(文部科学省)
- ねぇ『バサ』って何…? サバと見間違って買ってしまい…(Togetter)
