未経験でも、3か月あれば
開発ができる
――ある銀行が、社員の研修で
みずほが営業と事務から数千人をAI開発者に変える。2月は、事務の行き先が「営業」だった
2026年10月15日、みずほフィナンシャルグループが発表した。営業や事務をやってきた社員を、AIのシステムを作るエンジニアに変える。研修の名前は「みずほAI Bootcamp」。11月から本格的に動かす。グループの中で希望者を募り、転換する社員を10年以内に数千人まで増やすという。
研修は3か月だ。こうした育成には、普通1年半ほどかかるという。その6分の1に縮めた。
3か月で、未経験者がエンジニアに
中身はこうだ。はじめの1か月は、AIコーディング支援ツールを使った開発のやり方を、集中して学ぶ。そのあとの2か月は、本物の案件に入りながらOJTで鍛える。
先に試したのは、今年の6月から8月だ。参加したのは5人。そのうち4人は、プログラミングの経験がない人だった。集中学習のあとの知識テストは、5人の平均が92%。全員が合格の線を越えた。9月からは、5人そろってエンジニア職に移っている。
それで本当に足りるのか。そこは、まだ誰にも分からない。11月の2回目は、20人ほどに増える。リリースが書いているのは、そこまでだ。外に出さず自社でシステムを作る内製の力を強めるため、「まずは100人規模のAIアプリケーション開発人材を育成」すると書いてある。10年以内に数千人という数字は、リリースには出てこない。時事通信とテレビ東京が、同じ日の発表として伝えたものだ。
2月に示された行き先は「営業」だった
ここが、ややこしい。
みずほは今年2月にも、似た発表をしている。AIを使って、今後10年で最大5,000人分の事務作業を減らす、という話だった。事務を担う社員は約1万5,000人いる。その3分の1にあたる量だ。
では、その人たちはどこへ行くのか。2月の時点の答えは「営業」だった。解雇はしない。リスキリングを支えたうえで、法人営業向けに情報を集めて分析する仕事や、業務を効率よくする仕事に移す、という説明だった。
そして10月の発表である。AI開発に移る職種として名前が挙がったのは、事務職と、営業職だ。
2月に「営業へ移す」と言われた側の仕事も、8か月後には、移される側に入っている。AIで消える部署と、増える仕事。その線は、一度引いたら終わりではないらしい。
ネットの評判
まとめサイトのIT速報が拾った5ちゃんねるの書き込みには、冷ややかな声が並ぶ。事務や営業をやってきた人にAIの開発は無理だ、という声。配置転換という名の首切りではないか、という声。保険会社の配置転換を引き合いに出す人もいた。技術を知らない人が作れば、穴だらけのアプリが量産される、という心配も出ている。
そもそもAIそのものを作る話ではなく、AIの道具を使ったシステム開発だろう、という指摘もあった。一方で、ここで言う開発はGPTをもとに手を加える話で、自分の職場でも100個くらいそういうエージェントを動かしている、と書く人もいた。
ネット論壇のアゴラでは、三田大介氏が10月16日に書いている。5人でうまくいったからといって、数千人でも同じになるとは限らない。ついていけなかった人の仕事や給料も決まっていない、という指摘だ。
AIで減らすと決めた事務は、最大5,000人分。AI開発で増やすと言っているのは、数千人。どちらも「10年で」の数字だ。
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お金がかかる
――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声
- 非エンジニア社員を「AIアプリケーション開発人材」へ。リスキリング期間を6分の1に短縮(みずほフィナンシャルグループ)
- AI開発人材、数千人育成へ=事務・営業職から、リスキリングで―みずほFG(時事通信)
- みずほ 数千人をAI人材に転換 営業や事務から育成(テレ東BIZ)
- みずほFGが事務職員最大5000人を10年で配置転換へ-AIで業務効率化(TBS NEWS DIG/Bloomberg)
- みずほFG 事務職を最大5000人削減 AI活用 配置転換で収益力強化(テレビ朝日)
- みずほが数千人の営業や人事を「AI開発」に配置転換:「AI追い出し部屋」か?(アゴラ・三田大介)
- 【朗報】みずほ、数千人をAI開発者に転換へ(IT速報)
