気づかないうちに、我慢強くなる
トルコの研究者の言葉
写真はイメージ Photo by Spenser Sembrat on Unsplash
カザフの鷹狩り杯に176人、研究者は「ワシもまた、人を鍛える」と言う
カザフスタン東部のボザンバイ村で10月9、10日、「アジア・オープン鷹狩り杯」が初めて開かれた。10カ国から鷹匠176人が集まり、2日間で約1万5000人が見に来た。鷹狩りを見るために、1万5000人である。
部門は3つ。イヌワシ、タカ、セーカーハヤブサだ。イヌワシを使う鷹匠はベルクトシと呼ばれる。試されるのは、鳥の反応と飛びの制御、そして狩りの力だ。最長700メートル離れたところから、手元に呼び戻す。シルガを追わせる。キツネやノウサギ、ハトを相手に、実際に狩らせる。会場では荒馬ならしや綱引き、テンゲ・イルもやっていた。鳥の大会のはずだが、人もかなり忙しい。
鍛えられていたのは、どっちだ
この大会を取材した現地紙アスタナ・タイムズに、面白い見方が載っていた。トルコの鷹匠で研究者のネディム・ムトル・クズルブガ氏の話だ。英文記事からの訳はこうなる。「ワシもまた、人を鍛える。鷹匠がワシを鍛えるとき、気づかないうちに、より規律正しく、働き者で、気前よく、我慢強くなっていく」
なぜそうなるのか。鷹匠のアヤジャン・ダニヤルクズさんは、訓練の入り口をこう説明した。やさしい練習から始める。ワシを呼んで、手に乗せる。人と鳥が互いに慣れることが大事で、通じ合い始めたのが見えてから、やっと本当の訓練に入る。
ダニヤルクズさんは、鳥は飼い主の性格や気性を映すようになるとも話した。教え子は14歳からいる。始めたばかりの人もいる。アルマトイのアイスル・ベクニヤゾバさんは、1年前にインスタグラムの募集で鷹狩りを知った。若いイヌワシのマンガズと、初めて大会に出た。鳥の出来が悪いとき、原因はたいてい手元にあるということらしい。
審査員のエルタイ・ムプテケエフさんは「1点の差でも勝者が決まる」と話した。部門ごとに規則があり、出来と時間で点が付く。点を付けられているのは、鳥ではなく出場者の方だ。
優勝は3人。イヌワシ部門はジャンブール州のセリクボルスン・ジャルガスウルさん。タカ部門はトルキスタン州のザキ・マフムドハンさん。セーカーハヤブサ部門はカラガンダ州のテミラリ・トレゲヌルさん。参加者は鷹匠176人と、猟犬タズィの飼育者・訓練士52人の計228人だった。鷹狩りは2010年にユネスコの無形文化遺産になっている。祭りは5回目で、鷹狩り杯は今年が初めてだ。
鍛えられるのが自分の方だと分かっても、鷹匠はまたワシに腕を差し出す。悪い鍛え方ではない。
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