そっちの地図だと
基地は見えてる?
――Googleマップでは、今も見える
写真はイメージ Photo by SpaceX on Unsplash
「Appleマップだけ基地がぼける」Googleと同じ地点を比べてみた
Apple純正の「マップ」でロケットの発射台を見ようとすると、画面がモヤモヤしている。2026年10月下旬から、そんな報告が出ています。
最初に伝えたのは宇宙開発メディアのSpace Exploredで、10月30日の記事です。Appleからの発表は、今のところありません。
筆者が気になったのは、どこがぼけて、どこがぼけていないのか、という線引きです。報じられた地点を、公開されている情報で並べてみました。
同じ地点を、Apple純正マップとGoogleマップで比べてみた
ぼかしが確認されたのは、ワロップス飛行施設(バージニア州)、ジョン・C・ステニス宇宙センター(ミシシッピ州)、ケープカナベラル宇宙軍施設(フロリダ州)、パトリック宇宙軍基地、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地(カリフォルニア州)です。
軍の側では、B-2ステルス爆撃機が配備されるホワイトマン空軍基地と、B-1Bが配備されるエルスワース空軍基地もぼかされています。さらに、エリア51(ネバダ州グルームレイク)とロスアラモス国立研究所です。
オクラホマ州のフォートシルについても、地元放送局Z94が「はっきりとぼかされている」と伝えています。
では、Googleマップはどうか。Space Exploredは「反対に、Googleマップはこれらの軍事施設をいずれもぼかしていない」と書いています。Z94も、フォートシルについては、Googleマップがすべてをはっきりとラベル表示している、としています。
同じ座標を見ているのに、どのアプリを開いたかで見え方が変わります。
線引きが、妙なところで止まっています
並べていて引っかかったのは、ぼかしの範囲がそろっていない点でした。
ケネディ宇宙センターと、歴史ある発射台LC-39A・LC-39Bは、ぼかされていません。ワロップス飛行施設は飛行場だけがぼけ、同じNASAが持つ発射台はそのまま見えます。
海軍のパールハーバー、ノーフォーク、グレートレイクスも手つかず。空軍でも、B-1Bの拠点ダイエス空軍基地と、B-52が配備されるバークスデール空軍基地はぼかされていません。
隠す理由があるのなら、この並びは説明がつきません。Appleが基準を公表していないため、理由は分かりません。
ネットの評判
評価は割れています。
Space Exploredは、軍事施設の衛星画像をぼかすこと自体は「合理的なセキュリティ対策として、おそらく理にかなっている」としています。
一方、宇宙追跡サイトKeepTrackは「他の商用画像サービスでは同じ土地が今も見えるので、これはどのアプリで発射台を確かめるかが変わるだけに近い」と書きました。打ち上げを追う人にとって、Appleは「行き止まり」になった、という言い方もしています。
実用面の心配も出ています。テック媒体ShiftDeleteは、ぼかされた基地の中でナビやCarPlayの案内がどう働くのか、基地で働く人は別のアプリが必要になるのか、どちらも不明だと指摘しました。
Z94は「なぜAppleだけが隠すのか」と疑問を投げかけ、今後「激しい議論」になると見ています。
ぼかした場所だけが浮かび上がった例があります
「他のサービスで見えるのだから、隠しても意味がない」という見方には、実例の裏付けがあります。
2018年12月、アメリカ科学者連盟(FAS)の研究者マット・コルダ氏は、ロシアの地図サービスYandexマップがトルコとイスラエルの300か所超をぼかしていると報告しました。
ところが、ぼかしたことで「正確な位置、外周、想定される機能が明らかになった」。FASはこれをストライサンド効果の典型例としています。なお、Yandexはロシア国内の核施設や潜水艦基地、空軍基地はぼかしていませんでした。
マレーシア政府が地図サービスへの検閲要請をしないとした理由も、同じ筋です。要請すれば、どこを機密と考えているかを自ら明かすことになる、と同国政府は説明しています。
逆向きの例もあります。2024年8月の時点で、インドネシアの軍事施設はGoogleマップでは検閲され、AppleマップとBingマップでは見えていました。ぼかす側と見せる側は、国と会社の組み合わせで入れ替わります。
まとめ
今回の変更で変わったのは「見えるかどうか」ではなく、「どのアプリで見えるか」でした。Googleマップは同じ地点を今も映しています。
ぼかしの線が基地ごとにずれている点も、筆者には気になりました。全部そろえて隠すか、全部見せるか。どちらでもない状態が、一番説明しにくいと思います。
Appleが基準を公表するまでは、どちらの言い分も確かめようがありません。気になる地点を手元の地図アプリで開き、別の地図アプリと並べてみると、この線引きの不思議さは一度で分かります。
うちのソース付けて食うわ
日本人は何も言えんやろ
――フランスから投稿した人が、日本人に
残ったのは、高い席ではなかった
Number_i札幌ドームの空席報道
何もない田舎の風景
それでも300人が見ている
――岩手・遠野、田んぼの神社の24時間配信
- Apple純正マップがNASAやアメリカ軍基地の航空写真をぼかしはじめる(GIGAZINE)
- Apple Maps begins blurring NASA, Space Force, and Air Force bases(Space Explored)
- Apple Maps Blurs Cape Canaveral and Vandenberg(KeepTrack)
- Apple Maps Military Bases Blurred, Including Area 51(ShiftDelete)
- Fort Sill Appears Blurred On Apple Maps(Z94)
- Widespread Blurring of Satellite Images Reveals Secret Facilities(Federation of American Scientists、2018-12-10)
- List of satellite map images with missing or unclear data(Wikipedia英語版)