うちの裏山も、
保護区になるの?
――国が認定した民間の土地は、610か所
保護区じゃない土地を610か所認定、環境省が次の4年の工程表を公表
環境省が10月22日、アジアの12か国と一緒に作った「APAP OECMロードマップ(2026–2030)」を公表した。OECMを2030年までに広げるための工程表だ。もとになったのは、7月9日から11日に東京でやったワークショップだ。政府関係者を含む計42名が集まった。
ただ、同じ環境省の別の発表に、気になる数字が1つある。
610か所認定して、積み上がったのは0.2%
環境省は2023年度から「自然共生サイト」を認定してきた。民間の取組で生物多様性が守られている区域を、国が認定する制度だ。2026年6月末までに610か所。2026年3月には「早期に自然共生サイトを500以上認定する」という目標も達成した。
数は順調だ。では面積はどうなったか。
8月3日の環境省の発表によると、保護地域と重ならない区域をWD-OECMに登録した面積は、累計で64.6千ha。646平方キロだ。そして日本の陸域で保護地域が占める割合は21.0%、「うちOECMは0.2%」と書いてある。
30by30の目標は30%。陸域はあと9ポイント足りない。3年かけて610か所の看板を立てて、積み上がったのは、陸域の0.2%分だ。
ここで読み方が2つに分かれる。
厳しくすると誰も来ない、緩くすると看板だけ
多数派の読み方は分かりやすい。0.2%では話にならない、だから認定のペースを上げて、もっと大きな土地を取り込むべきだ、となる。ロードマップの4つの柱の2番目も「候補地の特定・認定・報告の拡大」である。
少数派の読み方。「小さいから価値がない」は、逆ではないか。
八王子市の資料によると、市内の自然共生サイトは2026年7月時点で4か所。長池公園、高尾100年の森、高尾の森自然学校、そして東京都立大学松木日向緑地だ。大学の構内の緑地が、国際データベースに載っている。
IUCNは公式ブログで、この制度の難しさをこう書いた。OECMの仕組みは「信頼性を守りグリーンウォッシュを防ぐには厳しくなければならないが、過度な事務負担を避けるには柔軟で釣り合いが取れていなければならない」(訳)。厳しくすれば、申請する人がいなくなる。緩くすれば、看板だけが増える。
ロードマップは、OECMを「候補地の特定、評価、認定、報告、モニタリング、改善及び長期的な維持から成る一連のプロセス」として整理した。認定したら終わり、ではない。そのあとずっと見続ける設計だ。柱の3番目も「長期的な質及び保全効果の確保」である。
では、誰が見続けるのか。
見張る費用は、誰の机に乗るのか
認定を受けるのは、企業やNPO、それに市町村だ。2025年4月に施行された地域生物多様性増進法で、そういう形になった。生き物を数えて記録を出すのも、その人たちになる。ネット上では、この制度を追う実務者が、生き物の調査体制を作って維持するのがネックになると書いている。
ロードマップには、もう1つ大事な行がある。先住民や地域の住民が関わる場所では、「自由で事前の、情報に基づく同意」(FPIC)と、慣習的な管理の尊重、確かな土地の権利が基本になる、とIUCNは書いている。国の地図に載せたいからといって、その土地を使ってきた人を飛ばさない、ということだ。
0.2%は、遅れている証拠にも、始まったばかりの証拠にも読める。
ワークショップの参加者が視察先に選んだのは、国立公園ではなかった。八王子市の長池公園だった。
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
今からサイト、閉めます。
朝まで
――案内が出たのは、15時50分
うちのサイトも
止まるんですか
――止め方は、会社によって分かれた
- アジアにおけるOECM推進に関するワークショップの開催結果及びAPAP OECMロードマップ(2026–2030)の公表について(環境省)
- 自然共生サイト等の国際的なデータベースへの登録について(環境省、2026年8月3日)
- 地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」の認定(令和8年度第1回)について(環境省、2026年6月30日)
- 地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」の認定(令和7年度第3回)について(環境省、2026年3月17日)
- 自然共生サイト等の国際的なデータベースへの登録について(環境省、2025年8月4日)
- From recognition to stewardship: Asia advances a new regional roadmap for OECMs(IUCN)
- Advancing Area-based Conservation in Asia: Regional Assessment and APAP OECM Roadmap (2026-2030)(IUCN)
- 「30by30」と「自然共生サイト」(八王子市)
- 自然共生サイトは着実に認定数・面積は増えているが、裾野を広げようとすると生き物のモニタリング体制の構築と維持に課題が残る(note)