任せた仕事、中身まで見る?
- AIが書いたプログラムの変更を、人が一行ずつ読むのをやめた会社があります。Anthropicが出した技術ブログによると、社内で取り込まれる変更は1日3万件を超え、人は一行ずつ読む代わりに「変更の意図」を見ているそうです。一方、開発の記録を分析したFaros AIの報告では、プルリクエスト1件あたりの本番障害の比率が242.7%増えていました。
- 「見ないで通して、謝るのは私」
- 「見るなら、最初から頼むな」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 全部見る派 の言い分
部下に資料を頼んだら、受け取ってから最後まで目を通します。日付、宛名、合計の数、ページの順番、全部です。本人の前では「ありがとう、助かった」と言って、席に戻ってから静かに読みます。直した所は、次に同じ間違いをしないように、あとでまとめて伝えます。
こうなったのは、前に一度、信じてそのまま出したからです。中身はきれいに見えました。先方で数字の食い違いが見つかって、呼ばれて頭を下げに行ったのは、作った本人ではなく私でした。あのとき分かったのは、任せても、外から見れば出したのは私だということです。それから、確かめる時間を自分の予定に先に入れています。
正直に言うと、見ない人がうらやましい気持ちはあります。でも、あの人たちがやっているのは信頼ではなく、確かめない言い訳だと思っています。意図が合っていれば通す、と言うけれど、意図が合っていて中身が間違っている書類を、私は何度も見てきました。問題が起きたときに原因をたどれるのは、一度でも自分の目で全部通した人だけです。
あなたが味方した 結果だけ見る派 の言い分
頼んだものは、受け取ったらやりたかったことができているかだけを見ます。言葉の選び方や書き方は、読めるなら直しません。会議に出す資料でも、言いたいことが相手に通じればそれで終わりです。渡してきた人には、その場で「これでいきましょう」と言います。
前は逆でした。自分が全部見る側で、夜遅くまで一枚ずつ確かめていました。それで何が起きたかというと、肝心の抜けを見落としたのです。細かい字ばかり追っていて、そもそも相手の求めているものと違う、という大きな穴に気づきませんでした。量が増えるほど、目は滑ります。見ているつもりで、見ていない時間が増えるだけでした。
それに、全部見られる側のつらさも覚えています。新人のとき、返ってきた紙が赤くなっているのを見て、考えるのをやめました。どう書いても直されるなら、考えるのは上の人の仕事だと思ったからです。全部見る人は、相手のためだと言います。でもあれは、自分が安心したいだけです。
どちらにも呼ばれない立場 読ませてもらえない新人
全部見る人の隣にも、任せきる人の隣にも、私の席はありません。見て覚える仕事は機械に回り、任される側も機械です。間違えて叱られて覚える順番が、こちらに回ってきません。どちらの言い分も、席がある人の話に聞こえます。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →Anthropicのコード変更が1日3万件 Gitを捨てて自作に移った