手入れの要る良い道具、使う?
- 水力発電所で働いていたという人が、仕事はきつくて汚くて危険で、おまけに熊が出ると書きました。大学院を出た人が水路のドブさらいをします。外の会社に頼もうとしても、引き受けてくれる先がないそうです。手入れが楽な太陽光でいい、というこの投稿が話題になりました。
- 「手をかけた道具は、裏切らない」
- 「続かない手入れは、ただの重荷」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 手入れする派 の言い分
朝、鉄のフライパンを火にかけて、油を薄く引くところから一日が始まります。使い終わったら湯だけで洗って、もう一度火にかけて水気を飛ばします。包丁は月のはじめに砥石で研ぎます。革の靴は、履いた日の夜にクリームを塗ります。面倒だと思う日もありますが、やめようと思ったことはありません。
こうなったのは、安い物を買い替え続けた時期があったからです。取っ手の焦げたフライパンを捨て、刃の欠けた包丁を捨て、底の剥がれた靴を捨てました。捨てるたびに同じくらいのお金を払い直して、気がついたら、手元には何も残っていませんでした。それで、手入れの要る物をひとつだけ買って、使い方を覚えることにしました。
手入れのいらない物ばかりを選ぶ人を見ても、楽をしているとは思いません。ただ、その人の家には、来年も同じ顔で同じ場所に置いてある物が一つもない気がして、少し寂しくなります。
あなたが味方した 手入れしない派 の言い分
夕飯が終わったら、皿も鍋もフライパンも、まとめて食器洗い機に放り込みます。それで台所の仕事は終わりです。フライパンは樹脂の加工がされている物を使って、焦げたら買い替えます。包丁も、切れなくなったら同じ物をまた買います。研ぎに出すことも、砥石を買うことも、もうしません。
前に、いい鉄のフライパンをもらったことがあります。油をなじませる、濡れたまま置かない、と教わりました。守れたのは最初の何日かで、ある朝、底がうっすら赤くなっていました。そこからは、見るたびに自分が責められている気持ちになって、結局、戸棚の奥にしまいました。母も同じでした。手入れの用事に追われて、台所でいつも機嫌が悪かったのを覚えています。
手入れを勧める人は、その時間を持っている人です。持っていない人が同じことを真似すると、物が傷むだけで、家の中の空気まで悪くなります。
どちらにも呼ばれない立場 研ぎや修理を引き受ける人
包丁を研いでほしい、靴を直してほしいという人は、まだ来ます。来ない日もありますが、それは構いません。困るのは、こちらの仕事を覚えたいという人が、長いあいだ現れていないことです。直す人がいなくなれば、手入れをしたい人も続けられなくなります。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →水力発電所で働いていた人が「太陽光でいいよ」 熊の出る現場と34円の買取価格