あなたはどっち 政治経済

アンケートで「どちらでもない」選ぶ?

場面と、二人の言い分
  1. 同じ内閣の支持率が、数日のうちに三つ出ました。時事通信が42.4%、共同通信が49.1%、読売新聞が57%で、共同は「過去最低」と書き、読売は「ほぼ横ばい」と書いています。支持か不支持かを選んだ人だけで計算し直すと、時事58.8%、共同59.8%で、差はほとんどなくなりました。
  2. 「決めていないのに、決めたふりはしません」
  3. 「迷ったままの一票は、何も言っていないのと同じ」

どっちの味方?最初の印象で選んでください。

真ん中を選ぶ派 の言い分

駅前の定食屋で、会計のときに満足度のアンケートを渡されます。私はいつも、真ん中の欄に丸をつけます。味は悪くなかった。店員さんも普通に親切だった。でも、友だちに勧めて回るほどではない。だから真ん中です。満足と書いたら、あの店をひいきにしている人になってしまう。不満と書いたら、あの店に文句がある人になってしまう。私はどちらでもないから、どちらでもないと書くだけです。
こうなったのは、前の職場で、朝礼のたびに挙手を求められたからです。賛成の人、反対の人、はい手を挙げて。まだ資料も読んでいないのに、手を挙げる方向を決めさせられる。そこで適当に挙げた手が、後になって、全員が賛成したという記録になっていました。あれから、分からないものに手を挙げるのをやめました。
本音を言えば、迷いもせずにどちらかへ丸をつける人を見ると、少し怖いです。あの人は、本当に決めているのでしょうか。それとも、空欄が気まずいから埋めているだけでしょうか。気まずさで埋めた丸が、誰かの数字になって並びます。私が真ん中に丸をつけるのは、その数字に嘘を混ぜたくないからです。

相手へ:迷っている気持ちをどっちかに振り分けた丸が、本当のあなたの答えですか。

どちらかを選ぶ派 の言い分

飲み会の店を決めるとき、私は必ず店の名前を言います。アンケートでも同じです。満足か不満か、どちらかに丸をつけます。半分くらいの気持ちでも、ほんの少しでも傾いているほうがあるなら、そっちに丸をつけます。完全に真っ二つの気持ちなんて、そうそうありません。自分の中をよく見れば、どちらかに寄っています。
うちは、何も決めない家でした。夕飯どうする、何でもいい、じゃあどうする。これを毎晩やっていました。結局、父が黙って出かけて、残った私たちは冷めたおかずを食べる。誰も悪者にならない代わりに、誰も得をしませんでした。そういう家で育つと、真ん中に丸をつけることが、優しさには見えなくなります。
本音を言うと、どちらでもないという欄は、他人に決めさせる欄だと思っています。自分が黙れば、声の大きい人の答えだけが残ります。それで出た結論に、後から文句を言う人がいます。嫌われたくないから真ん中に置いた人が、いちばん強い意見をとおしていることになるんです。だから私は、浅い気持ちでも旗を立てます。間違っていたら、次のアンケートで反対に丸をつければいい。

相手へ:真ん中に丸をつけたあと、結論は誰が決めると思っているんですか。実際に出た声 「お気持ちに近いのはどちらですか」

どちらにも数えられない立場 電話に出ない人

そもそも、知らない番号に出ません。だから私の考えは、どちらの数字にも入っていません。真ん中に丸をつけたわけでもない。選ばなかったのではなく、聞かれていないのです。その私を抜いた割合が、世の中の気分として並びます。

言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。

元ネタを読む →「過去最低」と「ほぼ横ばい」が同じ週に並んだ 内閣支持率、どれを見ればいい

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