道具の向き、習った通り?手の動き通り?
- パソコンのキーボードで弦をかき鳴らせる仮想ギターが、海外のニュース共有サイトで注目を集めました。ギターを弾く人からは、本当に弾いている感じがするという声が出た一方で、画面に出る指板の向きが教材と上下逆だという指摘も相次ぎました。作者は、マウスを下に動かすと下へのかき鳴らしになるよう向きを決めたと答え、最初に出す向きの見せ方を考え直すと書きました。
- 「逆に作られたら、覚え直しです」
- 「手が迷う向きは、覚えません」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した みんなと同じ向き派 の言い分
新しいアプリを入れて、画面の並びが前と上下逆になっていると、私はその日もう使うのをやめます。買う前には、今まで使っていた道具と同じ並びかどうかを必ず確かめます。弟の家のテレビのリモコンは、音量と番組を変えるボタンの位置がうちと逆で、遊びに行くたびに私は押し間違えます。あれが毎日続くのかと思うと、ぞっとします。
私がここまで言うのは、昔、職場の棚の並びを新しい上司が入れ替えたからです。使いやすくなると言われて、たしかにその上司の手には合っていました。けれど私を含めた古くからいる者は、半年ほど、手を伸ばす前に一度止まる癖がつきました。覚え直すのは、初めて覚えるより時間がかかります。
本音を言えば、新しい向きを作る人は、自分の手しか見ていないと思っています。教える本も、人に渡す楽譜も、どれも同じ向きでそろっています。そこに一つだけ逆のものを置いて、気持ちがいいのは作った人だけです。みんなと同じ向きにそろえるのは、我慢ではなく、次に触る人への親切です。
あなたが味方した 手の動き優先派 の言い分
私は、道具が体の動きと逆になっていると、頭より先に手が怒ります。下に動かしたら、下に動いてほしい。押して開く扉に引き手の取っ手が付いているのを見ると、私は作った人の顔を見たくなります。台所の蛇口を、上げて出す型から下げて出す型に替えたときは、一週間で手がなじみました。体に素直な向きのほうが、慣れるのは早いんです。
子どものころ、兄からもらった自転車だけブレーキの左右が逆で、私は坂道で前輪のブレーキを強く握って転びました。あのとき分かったのは、頭で覚えた決まりは、慌てると消えるということです。体が覚えた向きのほうは、消えません。だから私は道具を選ぶとき、店で手を動かして、素直に動くほうを買います。
本音では、昔からの書き方に合わせろと言う人は、自分が払った覚え直しの手間を、次の人にも払わせたいのだと思っています。その書き方も、昔のだれかが都合で決めたものです。これから初めて触る人が迷わず手を動かせるなら、向きが逆でもそちらが正しい。向きは切り替えられるのだから、慣れた人が切り替えればいいだけです。
どちらの向きも知らない立場 弦の並びを習っていない人
私は弦の並びを習ったことがないので、上が高い音か低い音かも知りません。向きでもめている人たちは、どちらも弾ける人です。私がキーを押して音が出たら、それがどちら向きだったのかに、たぶん一生気づきません。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →キーボードでかき鳴らす仮想ギター「Guitoro」、驚いたのはギターを弾く人だった