いらない物、取っておく?捨てる?
- アメリカの風刺新聞The Onionが、昔の自社の紙版を読者から買い取ると言い出しました。社内の保管庫には、欠けている号があり、創刊したころの分は1号も残っていません。コメント欄には、毎号もらっていたのに取っておかなかった、という声が並びました。
- 「捨てた物は、二度と戻らない」
- 「戻らない物ほど、要らない物」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 取っておく派 の言い分
押し入れの下の段に、紙の箱がひとつあります。中身は、昔もらったチラシ、行った店の紙ナプキン、映画の半券、引っ越す前の町の広報紙です。年に一度くらい開けて、また閉めます。使い道はありません。それでも、箱ごと捨てる気にはなれないんです。
私がこうなったのは、学生のころ、実家の自分の部屋を親に片づけられたからです。帰省したら、机の上も引き出しも、きれいに空になっていました。友だちと作った文集も、部活の記録も、まとめて紙の回収に出されたあとでした。親は、ごめん、いらない物だと思った、と言いました。たしかに、あの紙で何かができるわけではありません。でも、もう一度見たいと思ったときに、この世のどこにも無い。あれから、紙を捨てるのが怖くなりました。
すぐ捨てる人を見ていると、身軽でうらやましいとは思います。思いますけど、あの人たちは、まだなくしたことがないだけです。なくしてから探す側に回ると、部屋が片づいているかどうかは、どうでもよくなります。
あなたが味方した すぐ捨てる派 の言い分
紙の物は、家に入れた日のうちに捨てます。郵便受けから部屋まで歩く間に、要る物と要らない物に分けて、要らないほうは玄関のごみ箱に落とします。店でもらった紙袋も、たたんで取っておきません。押し入れに置くのは、来月も使う物だけです。おかげで、探し物にかける時間がほとんどありません。
私がこうなったのは、祖母の家を片づけたからです。亡くなったあと、親戚で何日もかけて部屋の物を出しました。新聞の束、包装紙、空き箱、どれも祖母が、いつか使うと言って取っておいた物です。使われた物は、ひとつもありませんでした。最後は、中身を見ないまま袋に詰めて出しました。本人が大事にした物を、他人が流れ作業で捨てていく。あれを見てから、自分の物は自分で捨てようと決めました。
取っておく人の気持ちは分かります。ただ、箱を開けるのが年に一度なら、それはもう思い出ではなく荷物です。本当に大事な物なら、箱の底ではなく、机の上に置いているはずなんです。
どちらにも呼ばれない立場 同じ家に住む家族
取っておくか捨てるかを決めるのは、たいてい本人です。でも、その箱が置かれている押し入れは、家族で分け合っている場所です。自分の物を置く所がないまま、人の思い出を何年も預かっている側の話は、だれにも聞かれません。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →風刺紙The Onionが、創刊したころの自社の紙版を読者から買い取ると言い出した