予算の箇所付けを
国土交通省にやらせます

――大臣になる前の衆院議員が、地元の会合で

写真はイメージ Photo by Kevin Kandlbinder on Unsplash

10/10 11:10 / 発信国:日本

簗農相に2つ目の音声 大臣になる前は「やらせます」だった

朝日新聞が10月9日の夜8時すぎ、簗和生農林水産大臣の新しい音声を報じた。この音声は、2024年12月22日に栃木県大田原市にある簗氏の事務所で開かれた後援会の会合で録音された。簗氏はこう話していた。「道路、都市事業、水道関係、河川関係を皆さんからご要望頂いて、予算の箇所付けを国土交通省にやらせます」(原文ママ)。出席していた複数の人が、この発言を認めている。簗氏側は9日夕までに朝日新聞の取材に答えていない。下野新聞も同日、音声データ付きで報じた。

騒ぎの始まりは2026年5月24日だ。自民党大田原支部の総会のあとの懇親会で、簗氏は、衆院選で自分を応援しなかった首長がいる2つの自治体の道路予算を「大幅にカットをしました」と話した。9月30日に週刊文春とデイリー新潮が音声付きで報じ、簗氏は10月5日に撤回して謝った。働きかけは、いまも認めていない。

変わったこと

2本の音声で違うのは、これから先の話か、終わった話かだ。

2024年12月、簗氏はまだ大臣ではない。同じ音声には「これから大臣をめざしていく立場になる。簗和生がいなくなると大変なことになるよと。そう思ってもらわなければいけない」(原文ママ)という発言も入っている。「やらせます」は、これからの約束だった。

1年5か月後の2026年5月、言い方は過去形になる。デイリー新潮によると、簗氏は減り方の率まで口にしていた。「那須烏山市については前年比で64%減、3分の1にしました。そして那珂川町は54%減にしています」。約束が、やったことの報告に変わっている。

ここが、ややこしい。この率は簗氏が自分で口にした数字だ。FNNプライムオンラインの取材では、那珂川町の削減は20%以上だった。

変わらないこと

場所と相手は、ほとんど同じだ。2024年は大田原市の簗氏の事務所、2026年5月は自民党大田原支部の総会のあと。どちらも地元の支持者が集まる席だった。

簗氏の説明も変わらない。FNNの取材には「働きかけは一切してございません」と話した。国土交通省は10月6日、2026年2月に簗氏から文書で問い合わせを受けたと認めたうえで、働きかけや圧力はなかったという調査結果を示した。

省内にできた「お支えチーム」

高市首相は10月8日の国会で「とにかく働いて仕事で返せ」と述べ、続投させる考えを示した。

農林水産省には「簗大臣お支えチーム」が内々にできた。朝日新聞によると、簗氏には5月の発言とは別に、公職選挙法違反の疑いがある行為も報じられている。チームは、法律上の論点を整理し、国会答弁や報道への対応を強めるためだという。省内からは「勤務時間中に本来業務そっちのけでやるべきことか」という声が出ている。

ネットの評判

はてなブックマークでは、この「お支えチーム」の記事に134人がブックマークを付けた(10月10日時点)。目立つのは、農林水産省の職員への同情と、議員が起こした問題をなぜ省が引き受けるのかという疑問だ。

止まっているのは、道路のほうだ

現場は動いていない。FNNが那珂川町を取材したところ、工事が止まって道路は半分の幅しかなく、住民は「半年以上たつかな」と話した。那須烏山市でも、道幅が狭い区間の拡張工事が延びている。朝晩その道を通る住民は「道路が狭いからやっぱり危ないですよね」と話した。

幅の狭い田舎の道路
写真はイメージ Photo by Clint Patterson on Unsplash

音声は2本になった。那須烏山市と那珂川町の道は、まだ狭いままである。

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