サバ、来年から
倍にしていいって
――国際機関ICESが、各国に
写真はイメージ Photo by Richard Bell on Unsplash
国際機関がサバ漁獲量の倍増を勧告 銚子の加工業者が破産した2日後
サバの漁獲量の勧告が、倍になった。ICESが9月30日、北東大西洋のサバについて、2027年の漁獲量は35万2,938トンまでにするよう勧告した。2026年の勧告は17万4,357トン。102%増、つまり倍を超える。
本誌は10月21日、千葉県銚子市でサバを扱う水産加工業者の約2割が、倒産か事実上の廃業状態になったと伝えた。原料の大半はノルウェー産などの輸入サバで、その枠が半分近くまで減り、値段が跳ね上がったのが原因だった。その輸入サバが、増えるかもしれない。
よかった、では終わらない。日付を見てほしい。
銚子の阿尾商店は、国産サバの仕入れに強いと水産の専門紙で紹介されていた加工・卸売の会社だ。銚子市のふるさと納税では、返礼品の塩さばを出す業者として載っていた。この会社が千葉地裁から破産手続開始決定を受けたのは、9月28日。勧告が出たのは、その2日後だった。
勧告は、枠ではない
勧告が出たらそのまま枠になる、と読みたくなるが、違う。ICESは科学の助言を出すだけで、各国の枠は決めない。決めるのは、サバが回ってくる海を持つ国どうしの交渉だ。
スコットランド政府が公開している記録によると、2025年12月15日、ノルウェー・イギリス・フェロー諸島・アイスランドの4か国が、2026年の北東大西洋のサバのTACを29万9,010トンと決めた。同じ年のICESの勧告は17万4,357トン。科学者が言った量の、1.7倍だ。
では2027年の枠は。まだ決まっていない。10月20日から、フェロー諸島・イギリス・EU・グリーンランド・アイスランド・ノルウェーの6者がロンドンで交渉に入り、10月22日まで続く予定だ。
資源が戻ったわけでもない。ICESの計算では、2026年の産卵親魚量は約320万トン。これを下回ると危ないという線(307万トン)をわずかに超えただけで、安全とされる水準(412万トン)には届いていない。
枠が戻っても、日本に戻るとは限らない
仮に枠が増えて、ノルウェーのサバが増えたとする。それが銚子の工場に届くのか。
オーシャン・ガバナンス研究所の真田康弘さんが6月にウェッジ・オンラインで書いたところによると、ノルウェーから日本に向けたサバの輸出量は、2026年4月、前年の同じ月より83%減って120トンだった。10トントラックで12台分しかない。魚が減ったせいだけではない。魚価が過去最高値を更新するなかで、ウクライナ、リトアニア、ルーマニア、ブルガリアが日本より高い値を付けた。円安もある。買えなかった、ということだ。
国産に戻る道も細くなり続けている。同じ記事によると、太平洋側のサバの漁獲量は、2021年に50万トン近くあったが、2025年には10万トンまで減った。NPFCが決めた公海のマサバ・ゴマサバの枠も、2025年の7万1,000トンから、2026年は5万1,000トン、2027年は4万5,000トンへと削られている。
店頭の見通しも明るくない。時事通信社水産部長の川本大吾さんが6月にプレジデントオンラインで書いたところでは、日本の水産商社が「来年にはスマホよりも小さい1切れが店頭価格で500円近くなり、かなりのぜいたく品になってしまうのではないか」と話したという。
ネットの評判
ネットで目立つのは、枠の話より棚の話だ。サバ缶のまとめ記事「サバ缶が食卓から消える?」によると、伊藤食品は4月22日、「あいこちゃん大西洋サバ使用」シリーズの販売休止を知らせた。理由は「原料である大西洋サバの確保が極めて困難な状況」。この知らせは、防災の備蓄をすすめるアカウントを中心にXで広まり、「備蓄の王道が消えるなんて緊急事態」「週末に駆け込みで買いに行く」といった声が並んだ。「次は国産サバも危ないのでは」と心配する声や、「鯖缶が1.4倍に値上がり」という書き込みも紹介されている。
ロンドンで6者が話しているのは、2027年のサバの枠だ。銚子の加工業者のうち約2割は、その2027年を待たずに店を閉じている。
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
うちのサイトも
止まるんですか
――止め方は、会社によって分かれた
結局、PayPayで
よくない?
――還元率は0.5%と1%で横並び
- Catch Advice for Pelagic Fish Stocks in the Northeast Atlantic(アイスランド海洋・淡水研究所)
- ICES more than doubles 2027 Northeast Atlantic mackerel catch advice(Baird Maritime)
- Mackerel: 4 party arrangement(Management of shared fish stocks: coastal state agreed records 2026・スコットランド政府)
- Coastal states begin mackerel quota talks in London(Daily Northern)
- 北大西洋サバ、4カ国が新合意―2026年漁獲枠は大幅削減(ササボ)
- サバが庶民の手に届かなくなる…東欧に買い負け、日本周辺でも減り続ける、国内産を確保するため今できること(Wedge ONLINE・真田康弘)
- 2027年には「スマホより小さい一切れ」で500円…サバの塩焼きが4倍値上げで「ぜいたく品」になるカラクリ(プレジデントオンライン・川本大吾)
- 【千葉】銚子の阿尾商店が破産 国産サバに強み(JC-NET)
- サバ缶が食卓から消える?いま買うべき『鯖缶・魚缶』まとめ(OSAKA散歩)