同じ学費なのに、
おかしくない?
――近大の投稿に、学外から
写真はイメージ Photo by Allen Y on Unsplash
近大の女性専用自習室、怒ったのは学外だった 大学「9年間、不満の声なし」
近畿大学の公式Xが9月25日、20秒の動画を投稿した。文面は「ある日の女性専用自習室。24時間利用可能なので、テスト期間だとかなり多くの学生が、深夜まで勉強しています。#近大定点」。東大阪キャンパスにある、女子学生だけが使える自習室の様子だ。この投稿が画面に表示された回数は2330万回を超えた。「男子学生への差別ではないか」という批判が集まった。
Xでこの投稿を見る
部屋があるのはアカデミックシアターの3号館だ。1階が女性専用で約100席、2階が男女共用で約150席。どちらもパソコンやスマホから席を予約して、24時間使える。
なぜ女性専用なのか。ネットでは「過去に自習室でナンパや性犯罪があって、それで隔離したんだろう」という推測が広まった。大学はこれを否定している。ENCOUNTの取材に、広報室は、過去に事件や男女間のトラブルが起きたことをきっかけにした「防犯上の隔離」ではないと答えた。女性専用にした理由は「セキュリティ管理や設備配置の観点から最も適切と判断」したからだという。
9年半、学内から不満は出ていない
大学の担当者は、ENCOUNTにこう答えている。「2017年の設置以来、学生や学内関係者から不都合や不公平を訴えるような意見やトラブルはなく、円滑に運用されております」。設置は2017年4月。動画が燃えた2026年9月まで、9年半近くたっている。その間、学内からは文句が出ていなかった、という話だ。
使っている側の反応についても、大学は「深夜帯の研究活動や試験勉強において、心理的に安心して長時間学業に専念できる環境として、学生や保護者から大変好評」と説明した。
数字も出ている。女性専用自習室は107席。2026年4月から7月の1日平均の利用者は約114人。1階と2階の24時間自習室を合わせると、年間で延べ約8万5000人が使う。うち夜(午後10時から翌朝8時)の利用が約2割を占めるという。
では、男子学生の席はどれだけ削られたのか。東大阪キャンパスには、自習できる席が全体で約4800席ある。女性専用の107席は、そのうちの2%あまりだ。
ネットの評判
Xでは「男子学生も学費を払っているのに不公平だ」「男性専用自習室も必要だ」という声が並んだ。同じ学費で使える席が違うのは性差別だ、という言い分だ。一方で「女性が安心して勉強できる場所は必要」「深夜に使うなら女性専用でないと入りづらい」という擁護も多かった。賛否は、はっきり割れている。
ENCOUNTの記事では、近大の男子学生の「2階の共用室があるし、混雑緩和になる」という声も紹介された。騒いでいる人と、実際にその建物に通っている人の温度が、かなり違う。
Yahoo!ニュースでこの件を書いた石渡嶺司氏は、近大が男女共用の自習室を設けている点を挙げ、男性専用がないことだけを理由に男性差別とするのは「やや無理がある」との見方を示した。
2330万回表示されたこの部屋は、9年半の間、1日に平均114人が黙って使ってきただけの自習室だった。
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