6.5万いいねの財布相談、答えが真っ二つ
36歳が『恥ずかしくない財布』を聞いた投稿
写真はイメージ Photo by Kisetsu Co on Unsplash
ヴィヴィアンの財布が壊れた36歳の相談、「貫く方がカッコいい」
「13年使ったヴィヴィアンの財布がいよいよ壊れた」。Xにそう書いた縁子さん(@eni_co)が、続けてこう聞いた。「36歳が持っていて恥ずかしくない財布のブランドを教えていただけませんか…」。この投稿に付いたいいねは、6万5,644件。財布の買い替えの相談で、である。
返信は67件。Togetterにまとめられた分を読むと、だいたい想像どおりだ。イルビゾンテ、プラダ、メゾン マルジェラ、ボッテガ・ヴェネタ、ルイ・ヴィトン、グッチ、シャネル、バーバリー。革の表情がいい、刻印を入れられる、どんな場でも浮かない。みんな、親切である。
ところが、このまとめがはてなブックマークに載ると、空気が変わった。10月19日から20日にかけて146件が登録された。並んだコメントは、そもそもブランド名を答えていない。「ボロボロの財布が一番恥ずかしいよ!」「恥を捨てれば恥ずかしくなくなる(根本的解決)」「その質問自体が相当に恥ずかしい」。
ダイソーの三つ折りを使っている人、100均で足りるという人、雑誌の付録でいいという人、10年物の無印という人。年相応のブランドを探す話だったはずが、だんだん財布にお金をかけない自慢になっていく。
「ブランドコンセプトと真逆」
いちばん効いていたのは、短い一言だった。「ブランドコンセプトと真逆の思想だ」。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは、1970年代の初め、デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドが、セックス・ピストルズのマネージャーだったマルコム・マクラーレンと開いた店から始まった。ロンドンのキングスロードでパンクを広め、本人は「パンクの女王」と呼ばれた。2014年に出た伝記では、今やっていることもパンクで、それは「不正に対して叫ぶこと」だと話している。
つまり13年持っていたのは、人の目を気にしない側のブランドだった。だから「ヴィヴィアンを貫く方がカッコいい」というコメントが出る。筋は通っている。
が、、、縁子さんはそこにいなかった。誤解が増えたと言って、あとからこう書き足している。「年相応のどんなシーンでも使えるお財布ってどこに売ってますか?くらいの気持ちで質問してます」。若い頃は大好きだったけれど、今は特別な思い入れもない、とも書いていた。
周りが13年分の思想を読み取っていた間、本人は売り場を探していた。それでも、6万5,644人が自分の財布を見たくなる相談というのは、そうそうない。
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