1年で赤字なら、
もう失敗だろう

――会計士は、そう見ない。赤字の多くは、現金が出た分ではない

写真はイメージ Photo by Joshua Tsu on Unsplash

10/12 13:30 / 発信国:日本

ジャングリア沖縄の赤字173億円を、会計士は「叩きすぎ」と擁護した

公認会計士・税理士の鯉淵拓真氏が、沖縄のテーマパーク「ジャングリア沖縄」の経営を、自分のYouTubeチャンネルで分析した。700億円の投資をどう回収するかを論じた動画だ。冒頭で、世間の批判に「みんな叩きすぎじゃない?」と言っている。ライブドアニュースが10月11日に伝えた。

親会社のジャパンエンターテイメントホールディングスは、2026年6月期の決算で約173億円の最終赤字を出した。開業から1年の来場者は、併設のスパを含めて約100万人。計画の年150万人には届かなかった。

普通に見れば失敗だ。鯉淵氏はそう見ない。「テーマパークは3年から5年かけて定着していくもの」で、直近の数字だけで「失敗と判断するのは経営者として弱い」と話した。総事業費の700億円も、USJやディズニーランドの建設費と比べれば割安だという。

近所にできた大型店の、1年目

近所に大型の店ができて、1年目の客が想定の7割、帳簿は赤字。それだけで「あの店はもう終わり」とは思わない。駐車場の入り方が知られ、品ぞろえが変わる2年目、3年目を見る。鯉淵氏の見方も、これに近い。

手も打っている。開業したばかりのころは、人気の乗り物の多くで待ち時間が数時間に伸びた。日差しをしのげる建物はレストランくらいで、暑さへの不満がSNSで広がった。運営のやり方を見直したあと、300分を超えていた待ち時間は最大60分ほどに収まったという。1日券の半額を下回るチケットも出した。4月29日には、48人が一度に乗れる乗り物「やんばるトルネード」の運行が始まった。りゅうぎん総合研究所の試算では、開業から1年の県内への経済波及効果は494億円だった。

鯉淵氏は、運営会社を率いるマーケティング会社・刀の森岡毅氏が「大成功はいらない」としている点に目をつける。沖縄は「実験場でありショールーム」で、「このモデルをアジアに売るというのが本当の目的」ではないか、と推測した。

大型店の駐車場のイメージ写真
写真はイメージ Photo by Benjamin Cheng on Unsplash

置き換えが合わない、一点

ここが、ややこしい。近所の店の赤字は、その会社と、お金を貸した銀行がかぶる。ジャングリアは少し違う。沖縄振興開発金融公庫などは、4月に計20億円を追加で貸した。9月には、資金が足りなくなる前のつなぎとして、公庫がさらに30億円を貸す方向で調整していると日本経済新聞が報じた。クールジャパン機構は、刀に80億円を出資している。定着を待つ3年から5年のお金に、公のお金が入っている。

客足も戻っていない。開業から半年は65万人で、1日あたり約3500人。残りの半年は約35万人で、1日あたり約1900人だ。173億円の多くは、親会社が持つ運営会社の株の値段を帳簿で下げた分だ。企業メディアのcokiは「口座から現金が消えた数字ではない」と書いている。

鯉淵氏が挙げた3つ目の課題は、二重価格だ。1Dayチケットは、国内に住む人が大人6930円、国外に住む人は8800円。差は1870円。運営側はもうけが出る値段にしたと説明してきたが、反発を招いた。

ネットの評判

Yahoo!リアルタイム検索のまとめには「さすがにヤバい…」と驚く投稿がある。立地を嫌う声も紹介されている。ライブドアニュースは「料金と内容が見合ってない」「定休日があるテーマパークって聞いたことないよ」という声を伝えた。擁護もある。お笑いコンビ・スリムクラブの真栄田賢は、美ら海水族館も空港から遠いのに客は来ていると投稿した。

ジャングリアは、2027年1月から月曜日が休みになる。祝日と忙しい時期は営業する。夜にやっていた設備の点検と、案内役の従業員の訓練を、昼も使ってまとめてやるためだ。

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