台所の物が倒れた。
でも、私たちは無事
――ある住民が、揺れたあとに
パナマでM7.6 大聖堂の尖塔が崩れ、死者の報告はなし
未明の2時56分、町が下から突き上げられる。棚の皿が落ち、台所の鍋が転がり、人は裸足で家の外へ出る。そんな揺れが、中米のパナマで実際に起きた。
第一報はM8.0だった
現地時間の2026年10月9日午後0時56分(日本時間10日午前2時56分)、パナマ中部でマグニチュード7.6の地震が起きた。震源はピタロサ・アリバという小さな集落の南西約10キロ、深さ約10キロと浅い。ウェザーニュースによると、米地質調査所(USGS)の解析では、震源の近くの揺れは改正メルカリ震度階級のⅨ程度だった。日本の震度なら6弱から6強にあたる。冒頭の場面は、その大きさを日本に置き換えたたとえ話だ。
CNNとNBCニュースによると、コクレ県ペノノメでは、広場に面した大聖堂の尖塔の一部が崩れた。近くのホテルでは、外壁の一部が落ちた。太平洋岸のプラヤ・ベナオでは、複数階建ての建物が倒れた。その下で車が数台つぶれた。倒れたのはホテル1棟だという。首都パナマ市では地下鉄2路線が止まり、ペノノメの病院では、建物から出た患者が屋外で手当てを受けるしかなくなった。パナマ運河は、いつもどおり船を通している。
建物は壊れたのに、死者の報告はない
CNNは、数人が軽いけがをしたが、死者や行方不明者の報告はこれまでにないと伝えた。パナマの国家市民保護局は、被害がベラグアス、エレラ、ロス・サントスの中部3県に集まっていると発表した。けが人が運ばれたのは、教育施設や保健施設、病院だった。エレラ県に住む60歳の住民は、NBCニュースにこう話した。「とても強く感じた。台所の物が倒れたが、私たちは無事。ただ、とても怖い」(訳)
では、なぜ死者が出ずに済んだのか。今回読めた報道に、その理由の説明はなかった。
余震は45回を超えた。規模は4.8から5.8で、いちばん大きかったのは約3時間後のM6.6だった。
なぜ、8.0が7.6になったのか
USGSは最初M8.0と出し、その後7.7、さらに7.6へと下げた。なぜ、そんなに動くのか。USGSは、アメリカの外で起きた地震の第一報を、震源に近い観測点から届くデータだけで、20分ほどで出すと説明している。地震の波が遠くの観測点に届くには1時間以上かかることがあり、第一報には間に合わない。データがそろうにつれて書き換え、大きな地震では数時間後と、数日から数週間後の2回、規模を見直すという。
ネットの評判
日本時間10日の朝、Yahoo!リアルタイム検索の話題のキーワードでは、上位10位のうち4つが地震の数字で、1位は「M8.0」だった。地名や国名より、揺れの大きさそのものに関心が向いたように見える。書き込みの中身は、今回の出典では確かめられなかった。
アメリカの太平洋津波警報センターは、エクアドルやメキシコ、ペルーなど周辺の国に津波の注意情報を出し、日本時間4時40分に解除した。気象庁は3時26分に遠地地震に関する情報を出し、「日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、津波被害の心配はありません」(原文ママ)としている。NHKは、日本で若干の海面変動が観測されたと伝えた。
パナマで大聖堂の尖塔の一部を崩した揺れが、日本の海に届いたときには「若干の海面変動」だった。
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