指示を出しただけでは
バグは出てこない
――穴を見つけた会社が、AIについて
写真はイメージ Photo by Arnold Francisca on Unsplash
PHPの重大な穴、見つけたのはAI では、人間は何をしていたのか
ウェブサイトを動かすPHPに、重大な穴が2つ見つかった。IDもパスワードもいらない。外から好きなプログラムを動かされてしまうリモートコード実行の穴だ。修正版が出たのは10月21日。見つけたのは、セキュリティ会社Califの研究者Ryan Austinと、OpenAIのモデル「GPT-5.6 Sol」だった。
「AIが、攻撃者より先に見つけた」。そういう見出しが世界中に並んだ。では、人間はそのとき何をしていたのか。
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AIが見つけ、18日後に人も見つけた
Califがこの穴にたどり着いたのは8月1日。Patch the Planetという取り組みで、OpenAIがお金を出した、PHPのソースコード点検の中だった。報告はその月のうちにPHP側へ渡っている。
18日後の8月19日、Google傘下のWizの研究チームが、同じ種類の穴を自力で見つけた。Wizが使ったのはGPT-5.6 Solだけではない。自社のWiz Atlasと、GoogleのGemini 4 Argonも併せて使っている。見つけた4人の研究者の名前も、そろって公表された。
2件にはCVE-2026-109618とCVE-2026-109619という番号が付いた。危なさの点数はCVSSv4で9.2。片方はファイルの受け取り途中の処理、もう片方は深刻なエラーが出たあとの処理で起きる。どちらも、手放したはずのメモリをもう一度触ってしまうuse-after-freeだった。元のコードは2012年のものだ。
PHP財団のセキュリティ担当Volker Duschは、10年以上で最も深刻な問題だと話した。欧州のCERT-EU、イギリスのNCSC、アメリカのNSAは、システムをいったん止めるよう呼びかけた。修正版が出た前後に、国内外で止まったサービスがいくつもある。
同じ穴は、2019年のバグ報告に書いてあった
セキュリティのニュースレター「dead neurons」は、この穴の部品がどれも前から公開されていたことを並べた。悪用の下ごしらえを発表したのは、研究者Stefan Esser。2004年のことだ。PHPのバグ報告には、2019年に同じ不具合が書き込まれている(#78876)。2024年の外部監査でも、同じ場所がもう一度見つかっていた。
見つけたCalif自身も、AIだけで見つかったとは言っていない。「どんなモデルも、簡単な指示だけですべてのバグを掘り出せるわけではない」(訳)。Ryan Austinは、バグが潜んでいそうだと自分が読んだ場所に、AIを向けたと説明している。dead neuronsは、AIがやったのは、悪用のしかたを組み立てる作業を自動化し、何週間もかかる手仕事を数日に縮めたことだ、と書いている。
ネットの評判
技術者が集まるHacker Newsのスレッドには、168件のコメントが付いた。訓練データに入っていた話を再現しただけではないか、という疑いが出ている。学習の仕組みから言ってそうはならない、という反論もある。20年前のコードの穴を、人類初のリモートコード実行のように売り込んでいる、と冷ややかに見る声も上がった。ロゴとブランドと製品を売るための研究だという見方もあった。一方で、20年読み続けた人間が見落としたものを見つけたのだから価値は大きい、と素直に評価する声も出ている。公開が予定より前倒しになった混乱を、調整の失敗だと批判する書き込みもあった。前倒しの引き金も、Hacker Newsへの投稿だった。
OpenAIは、同じような発見がこれから数カ月で急増すると見ている。PHPのバージョンを確かめる道具も配り始めた。ただ、取り残される側もいる。セキュリティ会社Malloryの調べでは、ネットに出ているサーバーのうち約88万4000台がPHP 8.1以前で、ここに公式の修正は来ない。
同じ不具合がPHPのバグ報告に書き込まれたのは2019年。直ったのは2026年10月21日だった。AIが加わったのは、その7年のうちの最後の2カ月半だ。
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- PHPの重大脆弱性、発見したのは「GPT-5.6Sol」 OpenAIが防御連携を呼びかけ(INTERNET Watch)
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- PHP2Shell: All You Need to Know About CVE-2026-109618 and CVE-2026-109619(JFrog Security Research)
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- PHP rushes out emergency patches for two critical bugs AI found first(The Next Web)
- php2shell: What We Know About the Leaked Critical PHP Vulnerabilities(Check Point Blog)
- PHP2Shell Explained: PHP2Shell Was in the Training Data(dead neurons)
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