公務員だけ、
真っ先に潤うんだな
――給与引き上げの報を見た、ネットの一言
写真はイメージ Photo by Cullen Cedric on Unsplash
国家公務員の月給3.51%増 比べる民間企業が「50人以上」から「100人以上」に
国家公務員の月給が、平均1万5,056円上がる。率にすると3.51%。人事院が8月7日に人事院勧告を出し、政府は10月9日、勧告どおり実施すると決めた。月給もボーナスも、これで5年連続の引き上げだ。
ボーナスは年4.65か月分から4.70か月分へ。初任給は一律9,500円上がる。3%を超える引き上げは2年連続で、人事院の川本裕子総裁はこれを「高水準のベースアップ」と呼んだ。
「で、うちの給料は?」と思った人は多いはずだ。
比べる相手が、今年から変わった
公務員の給料は、民間より低い分を埋める形で決まる。その差を官民較差という。今年は民間が1万5,056円高かったので、同じ額を上げる。
では、どの民間と比べたのか。土台になるのは人事院の職種別民間給与実態調査だ。今年の対象は「企業規模100人以上で、事業所規模50人以上の事業所」、約1万100所だった。
去年は「企業規模50人以上」で、約1万1,900所。母集団も約5万9,200所から約5万400所に減った。従業員50〜99人の会社が、比べる相手から外れたということだ。
本府省の職員は、さらに上と比べる。東京23区にある、従業員1,000人以上の会社の本店。去年までは500人以上だった。
人事院は月報でこう説明している。「行政課題の複雑化・多様化や今日の厳しい人材獲得競争を前提とすれば、公務の職務・職責を重視し、より規模の大きな企業と比較する必要がある」。見直しは2025年の勧告から始まった。国公労連は「2006年に不当に引き下げた比較企業規模を100人以上に戻した」と受け止めている。
ネットの評判
5ちゃんねるのまとめには、厳しい声が並ぶ。「庶民は?」「公務員が真っ先に潤う」「公務員こそ下げろよ」。比べ方そのものを突く書き込みもあった。「公務員の給料上げるのに都合のいい調査対象の大企業だけね」。医療の現場の給料が上がっていないのに、という声も出ている。
擁護もある。「国が給料決められるのは公務員だけだろ」「公務員ならいいだろ。安すぎるくらいだよ」「民間も同程度伸びてるんだけどな」。日刊ゲンダイは、SNSには「引き上げには理解しているが…」「なんか釈然としないんだよな」という複雑な声が少なくないと伝えている。
「まだ低い」と言う側の数字
当事者の側は、逆のことを言う。人の取り合いで民間に負けている、だからまだ足りない、と。
数字はある。人事院の人事行政諮問会議が2025年3月に出した最終提言では、2014年度に総合職として入った人のうち23.2%が10年以内に辞めた。10年前の約3倍だ。在職10年未満の退職者は2023年度に203人で、過去最多になった。採用試験の申込者は10年で約3割減っている。引き止めるための手当も増え、2027年4月には転居手当が新設される。
民間も上がっている。連合の2026年春闘の最終集計では、賃上げ率は全体で5.01%、300人未満の中小の組合で4.69%だった。ただしこれは定期昇給を含む率で、人事院の3.51%とは別の物差しだ。
それでも、物価には負けている。厚生労働省の毎月勤労統計では、2025年度の実質賃金は前の年度より0.5%減った。4年度続けてのマイナスだ。給料は2.5%増えたが、物価は3.0%上がった。
公務員の給料を決めるときに比べる民間の事業所は、今年、約8,800所ぶん少なくなった。
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- 令和8年職種別民間給与実態調査の実施(人事院)
- 令和7年職種別民間給与実態調査の実施(人事院)
- 令和8年人事院勧告(人事院)
- 人事院月報 2026年1月号 No.917(人事院)
- 国家公務員の給与改定について、昨年を上回る1万5,056円の引き上げを勧告(JILPT ビジネス・レーバー・トレンド2026年10月号)
- 【人事院勧告】月例給3.51%・一時金0.05月を引き上げ(自治労)
- 2026年人事院勧告に対する声明(自治労連)
- 2025年人事院勧告にあたっての声明(国公労連)
- 国家公務員給与 2年連続で3%超の引き上げ決定(NHK 2026年10月9日)
- 第2節 国家公務員における人材確保の状況(人事院 公務員白書)
- 官僚なり手不足で23.2%が10年以内に離職!若手社員の離職防止策(エデンレッドジャパン)
- 霞が関は“ブラック”なのか?―10年未満で退職のキャリア官僚3年連続で100人超(nippon.com)
- 26年春闘賃上げ率5.01%、3年連続5%台 中小組合が健闘=連合最終集計(ニューズウィーク日本版)
- 毎月勤労統計調査 令和7年度の実質賃金 前年度から0.5%減(解決!人事労務)
- 職種別民間給与実態調査(JILPT 労働統計所在案内)
- 令和8年職種別民間給与実態調査について(静岡県)
- 令和7年職種別民間給与実態調査(北海道)
- 「民間に合わせる」なら成果報酬制度も導入を(日刊ゲンダイDIGITAL)
- 高市総理「物価上昇を上回る賃上げを日本に定着させる」→国家公務員の月給大幅増額(5ちゃんねるのまとめ)
