2年たったら、
ちゃんと戻すから
――高市早苗首相が、参院予算委員会で
写真はイメージ Photo by Jack Lee on Unsplash
食料品1%減税の財源、高市首相が「国債を否定しない」に動いた3か月
食料品の消費税を下げるお金は、どこから出るのか。高市早苗首相は10月19日の参院予算委員会で「国債の発行を否定するものではない」と答えた。3か月前、同じ首相が「赤字国債に頼らずに確保する」と説明していた、あの財源の話だ。
減税の中身を先に確かめておく。いま8%の食料品の消費税を、来年4月から2年間だけ1%に下げる。残る1%分は中低所得者に現金を配って「実質ゼロ化」する。7月30日に首相が正式に表明した。減税分と給付を合わせると、2年で約10兆円が要る。
19日の答弁で、首相はこう話した。「当初予算と補正予算を通じた通年の国債発行額を昨年度同様、適切にコントロールする」。そのうえで「国債発行を否定するものではない」と続けた。税収の動きを見ながら歳出と歳入の両方を見直すとし、「政策の優先順位を徹底的に洗い直す」とも話している。
この答弁には、木原稔官房長官があとから補足を付けた。19日の記者会見で「あくまでも予算編成全体についての答弁だ。従来の政府の方針に変わりはない」と話した。減税の穴を赤字国債で埋めると言ったわけではない、という説明だ。
7月は「赤字国債に頼らず」と言っていた
7月30日の表明で、首相が財源に挙げたのは、租税特別措置の見直し、補助金の見直し、税外収入の確保だった。そして「市場の信認が得られるよう、赤字国債に頼らずに確保する」と話した。あわせて「2年後には私が責任を持って、確実に税率を元に戻す」とも明言している。景気が悪ければ減税を続けられる景気条項は、関連法案に入れない考えも示した。
3か月で、言葉は「頼らず」から「否定するものではない」に動いた。方針は変わっていない、という官房長官の説明どおりだとしても、国債という言葉が首相の口から出たこと自体が、この日のニュースになった。
借りたお金の利子は、すでに年13兆円
では、借りるといくらかかるのか。国の借金には、いま、はっきりした値段が付いている。
財務省が10月に発行する10年物国債の表面利率は年3.1%。9月発行分の2.7%から上がり、1996年8月の入札以来、30年2か月ぶりの高さだ。
国が毎年払う利子、つまり利払い費は、2026年度の予算で13.0兆円。財務省は、金利が想定より1%上振れした場合、2035年度には45.2兆円に膨らむという試算も出している。9年で3.5倍だ。2027年度の概算要求では、利子の計算に使う想定金利を3.8%に引き上げた。2026年度予算の3.0%からの引き上げで、足元の金利に1.1%ほどの急騰リスクを足した数字だという。
減税は2年で終わる。利子は、そのあとも毎年の予算から出ていく。
ネットの評判
答弁をめぐっては、ネットで声が割れている。この話題を扱ったまとめサイト「事件事故を深掘りまとめ」が拾った書き込みでは、心配する側に「結局それ借金するだけやんけ」「既に政府債務200%超えるのに、また?」「結局ツケを未来に回すいつものパターン」が並ぶ。「インフレ加速して終わりやろ」という声もあった。
一方で、歓迎する側には「株が上がるわ どんどんやれ」「国民が望んでる」といった書き込みがある。財源を言い切らないまま減税が進むことへの不安と、株高への期待が、同じ話題の下で向き合っている形だ。
首相は19日、「強い経済をつくることにより円の信認も高めていく」と話した。「これまで高市円安だの高市高金利だの言われてきた。それは明確に否定する」とも述べている。
減税が効くのは2年。10月に発行された10年物国債は、年3.1%の利子を付けたまま、2036年まで残る。
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