同性婚を却下したのは
窓口ではなく、大臣だった
――結婚して6年の2人が、病院で
写真はイメージ Photo by Tetiana Thiel on Unsplash
スロバキアで同性婚の登録を断ったのは、窓口ではなく内務大臣だった
スロバキアのイヴァン・ノヴォトニーさんとメトド・シュパチェクさんは、2020年に隣の国オーストリアで結婚した。2025年12月、その結婚をスロバキアの戸籍にも載せてほしいと役所に申し込んだ。返事が来たのは8か月後で、中身は断りだった。断ったのは申込先の窓口ではなく、内務大臣のマトゥーシュ・シュタイ・エシュトクさんだった。
2人は、この決定を不服として裁判を起こした。英ガーディアンが10月13日に伝えた。
窓口ではなく、大臣が断った
断りの理由は、シュパチェクさんが説明している。憲法が結婚を男と女のものだと決めているから、外国の婚姻証明書を認める根拠がない、という話だ。内務省はガーディアンに、役所の仕事は立法や憲法を決める側の判断に代われないと答えた。EUの法律が上に立つことは認めつつ、戸籍に結婚として書き入れる義務まではない、という立場だ。
ノヴォトニーさんは、これを「あからさまで、隠しもしない政治介入だ」と話している(訳)。2026年6月12日にフィツォ首相が戸籍の窓口まで出向いて、登録するなと指示した、とも言っている。首相側の言い分は、開いた出典では確かめられなかった。
なぜ、役所がそこまで強く出るのか。スロバキアは2025年9月26日、憲法を変えた。性別は男と女の2つだけだとし、「文化・倫理の基本的な問題」では国に主権があると書き込んだ。
その2か月後、話がひっくり返る。EU司法裁判所が2025年11月25日、ポーランドの似た事件で判決を出した。EUの中を移る自由を使って別の国で結婚した同性カップルの婚姻を、母国は「同性婚を認めていないから」という理由で断れない、という内容だ。ただし、各国に同性婚そのものを作れとまでは言っていない。
2人が困るのは、もっと小さな場面だ。コロナのころ、シュパチェクさんが入院したとき、医師はノヴォトニーさんを「夫」として記録に書き、病状も教えてくれた。ただ、それは決まりだったからではなく、その医師が親切だったからだという。「法の支配は、そういうものではない」(訳)
日本は紙が出る。でも相続では他人のまま
ここで日本を見ると、形が裏返しになる。日本にはパートナーシップ制度がある。入れている市区町村は571。人口で見ると93.8%がカバーされている(Marriage For All Japanのまとめ)。つまり、ほとんどの人は住んでいる場所で証明書をもらえる。
では、その紙で何ができるのか。静岡県は制度のページに、法律上の結婚とは違い「法的な効力(相続、税金の控除等)が生じるものではありません」と書いている。相手が亡くなっても、遺言がなければ相続人にはならない。配偶者控除も使えない。
スロバキアでは紙が出ない。でもEUでいちばん上の裁判所は、断れないと言う。日本は紙が出る。でも相続では他人のままだ。引っかかる場所は、よく似ている。病院、相続、役所の窓口。
日本の裁判も動いている。同性婚を認めない規定について、高裁の判断が6件出た。5件が違憲、1件が合憲だ。合憲としたのは、2025年11月28日の東京高裁だった。判断が割れたので、最高裁が統一した答えを示す見通しだ。
2人が求めているのは、6年前にオーストリアでした結婚を、戸籍に書き入れてもらうことだ。結論はまだ出ていない。いつ出るのかも、開いた出典では分からなかった。
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- Same-sex couple sue over Slovakia's refusal to register marriage(ガーディアン。本紙は取得できず、下の転載で本文を確認)
- 同記事の転載(Yerepouni News)
- Slovakia Refuses to Recognise Gay Marriage, Setting Up Clash With European Union Law(IBTimes UK)
- Ivan Novotný a Metod Špaček podali na Správnom súde v Bratislave žalobu(STVR)
- Novotný a Špaček zažalovali ministerstvo vnútra(noviny.sk)
- Premier Announces Regulation to Prevent Same-sex Couples from Seeking Marriage(TASR)
- Recognition of same-sex unions in Slovakia(英語版ウィキペディア)
- Slovakia amends constitution to recognize only 2 sexes, sparking human rights concerns(PBS NewsHour。直URLは403のためAMP版で確認)
- EU司法裁判所 判決C-713/23 プレスリリース(公式)
- The Court of Justice(EU司法裁判所の役割・公式サイト)
- パートナーシップ制度導入自治体(Marriage For All Japan)
- 静岡県パートナーシップ宣誓制度について(静岡県)
- 知っておきたい相続の基本(政府広報オンライン)
- No.1191 配偶者控除(国税庁)
- 【速報】同性婚認めぬ民法などの規定は『合憲』と東京高裁(TBS NEWS DIG)
- 同性婚訴訟最高裁が統一判断へ 高裁では『違憲』5件『合憲』1件(テレビ朝日)