地球儀を日本に回すと、1947年のブギが出てくる

THE SOUNDING EARTH|世界の音楽を国境ではなく文化圏と年代でたどる地球儀サイト

10/11 18:43 / 発信国:日本

音で旅する地球儀「THE SOUNDING EARTH」、日本列島を2025年から1947年へ逆走できる

2026年10月11日、「THE SOUNDING EARTH — 音で旅する地球儀」というウェブサイトが、はてなブックマークの人気エントリーに入った。地球儀を回して、光っている場所に触る。すると、その土地の音楽が年代ごとに出てくる。同じ日の夕方には296人が保存し、コメントが28件付いていた。

変わっているのは、世界の分け方だ。国ではなく文化圏で分けてある。カリブ海、コンゴ盆地、サヘル/マンデ、バルカン、アナトリア、ブラジル、日本列島。こうした区分が、ずらりと並ぶ。公式サイトの説明は「国境ではなく『文化圏』で世界の音楽を探索するインタラクティブな地球儀。1920年代から現在まで、時代ごとの代表的な録音を、地域と時代から辿れます」(原文ママ)。同じサイトの一覧ページには、収録は800作品以上と書かれている。気になった盤は、Apple Musicのリンクからその場で試聴できる。

日本列島を、2025年から左へ引いていく

面白い遊び方は、遠い国からではなく、足元から始めることだ。地球儀を日本に向けて、「日本列島」に触る。解説の一文目は「民謡や三味線、沖縄の島唄の伝統に、明治以降の西洋音楽が重なった列島。」(原文ママ)。

そのまま年代を左へ引いていく。青葉市子『Luminescent Creatures』(2025年)、米津玄師『STRAY SHEEP』(2020年)、竹内まりや『VARIETY』(1984年)、Yellow Magic Orchestra『Solid State Survivor』(1979年)、はっぴいえんど『風街ろまん』(1971年)、坂本九『上を向いて歩こう』(1961年)。いちばん左は、笠置シヅ子の『決定盤 笠置シヅ子「ブギの女王」』(1947年)だ。終戦から2年後の盤だ。

その音は、どこから来たのか

逆走していると、気になることが出てくる。この音は、ひとつの国の中で生まれたのか。文化圏の一覧の最後には、「レコードが運んだソン」というコラムが置かれている。

そこにはこう書かれている。「1930年代以降、HMVのGVシリーズなどのSP盤でキューバのソンがアフリカ各地に届いた。」(原文ママ)。ソンが海を渡った先の話も続く。コンゴのグラン・カレが率いたアフリカン・ジャズは、キューバのトリオ・マタモロスの「El que siembra su maíz」も取り上げているという。

ジャマイカの話もある。「ジャマイカのサウンドシステムでは、DJがレコードにのせて語る『トースティング』が1970年前後に花開いた。ジャマイカ出身のDJクール・ハークは1973年、ニューヨークのブロンクスで自らのサウンドシステムを持ち込んだパーティーを開き、そこからヒップホップが生まれた。」(原文ママ)。キューバ、コンゴ、ジャマイカ、ニューヨーク。地球儀の上では離れた4つの場所が、ひとつのコラムの中でつながっている。

では、なぜ国で分けないのか。公式サイトに、そう決めた理由の説明は見つからなかった。ただ、このコラムを読めば、国の線では追えない動きがあることは分かる。

ネットの評判

はてなブックマークのコメント欄には、地図から音楽に入る体験が新鮮だったという声が並んだ。地球を回してラジオを合わせるみたいだ、という言い方をした人もいる。知らない名前が多くて楽しい、見た目がおしゃれ、という声も出ている。

一方で、物足りないという声もある。ヒット曲を年代順に並べただけで、選曲が粗いという指摘が出た。なぜその盤が選ばれたのか、説明がほしいという声もあった。

作ったのがだれかは、はっきりしない。ページの下には「PLAYGROUND」という一覧へのリンクと「© Copyright 2026 Musica Terra.」の表記だけがある。制作者の説明も、公開日も、これから作品をどこまで増やすのかも分からなかった。それでも、日本列島の列は指1本で行き来できる。1947年の笠置シヅ子と、2025年の青葉市子が、同じ一本の列に並んでいる。

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