お金、今使う?ためておく?
- ブラウザで遊べる無料の人生シミュレーション『80億分の1』が、はてなブックマークで一気に広まりました。生まれる国や家は統計が勝手に割り振り、遊ぶ人が選べるのは、生まれたあとの進路や治療、人付き合いだけです。遊んだ人からは、ゲームでは簡単に選べる場面なのに、現実の自分はやらないのはなぜか、という声が出ました。
- 「貯金は天国まで持っていけない」
- 「お金がないと肝心な時、選択肢がなくなる」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 今使う派 の言い分
給料が入った日の夜は、だいたい誰かを誘います。焼き鳥でも、ラーメンでも、支払いは私がまとめて出します。帰りの電車で残高を見て、ひやっとすることもあります。それでも、あの席で笑っていた時間は、もう誰にも取り上げられません。
こうなったのは、祖父の通帳を見たからです。祖父は一度も旅行に行かず、外で食事もせず、通帳だけを増やして死にました。葬式のあと、その通帳は親戚のあいだでしばらく話題になって、それから誰かの口座へ消えました。祖父が我慢した何年分かが、数字だけになって動いていくのを、私は台所の隅で見ていました。あの日から、私は使う側に回りました。
ためる人を見ていると、いつ使うつもりなのかと思います。年を取ったら使う、と言いますが、年を取れば焼き鳥は食べきれないし、長い時間、飛行機に乗ることもできません。本音を言えば、あの人たちは使うのが怖いだけです。減っていく数字を見るのが怖くて、その怖さに「将来のため」という名前を付けている。私は、数字が減るほうを選びました。
あなたが味方した ためておく派 の言い分
毎月、給料が入ったら、先に別の口座へ移します。残った分で暮らすので、飲み会は月に一度にして、旅行の誘いは断ります。断るとき、理由は言いません。言うと説明が長くなるので、予定があるふりをします。
母が入院したとき、父が病室の外で電卓を打っていました。差額のベッド代と、通院の交通費と、仕事を休んだ分を足して、何度も打ち直していました。治せる病気でしたが、治療の話よりお金の話のほうが長く続きました。あのとき、うちを助けたのは励ましの言葉ではなく、父が黙って積んでいた分です。私はその横に立っていたので、今も先に移します。
使う人を見ていると、うらやましいというより、こちらを頼りにしているなと感じます。何かあったとき、立て替えるのは、たいてい貯めている側です。思い出は人に貸せません。お金は貸せます。けちだと笑われても、私は別の口座に移し続けます。
どちらにも呼ばれない立場 選ぶお金がない立場
お金を使うか、ためるかで迷える人の話を、黙って聞いています。家賃と光熱費を払ったら、月末に残るのは数えるほどです。選択肢が出ても、押せるボタンが一つしかない人がいることは、どちらの側も数に入れていません。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →無料ゲーム「80億分の1」、生まれは選べないのに選び方は「今の自分」のまま