『正直、気合ではどうにもならん』。それでも運ぶ、7キロのかき氷
宮崎市のうどん店
写真はイメージ Photo by Thomas Park on Unsplash
バイト15人が辞めた宮崎のうどん店 新人に託されたのは7キロのかき氷
宮崎市のうどん店で、アルバイト15人が辞めた。理由は就職や海外留学だ。主力まで抜けて、仕込みが追いつかないほど人手が減った。それでも店は、新しい顔ぶれで夏の繁忙期に入った。10月6日放送の『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ・日本テレビ系)が、その立て直しを伝えた。店の名前は「百姓うどん」だ。
自分の職場で考えてみてほしい。同僚15人がいなくなる。まず「何があった」と事情を探るはずだ。
ところが、3代目店主の岩切宗百さんの言葉は、引き止める側のものではなかった。「バイトの子達が笑顔になって羽ばたいていく。それが好き」。辞めた理由が就職と海外留学なら、たしかにこれは事件ではなく卒業だろう。
店の中身も見ておきたい。看板は690円の「ごぼう天うどん」。うどんの上に、直径25センチのごぼう天がのる。だしは自家製のいりこだしで、13時間寝かせてしょうゆを合わせ、出来上がりまでに15時間かかる。麺が330グラム入った「特製百姓うどん」は850円。夏はここに「レインボータワーかき氷」1,100円が加わる。重さは約7キロ。しかも1年に1センチずつ高くなっているという。
最強メンバーに回ってきたのは、7キロのタワー
店主は新しい顔ぶれを「うちの新体制。最強メンバーをそろえている」と呼ぶ。和食の料理人だった人、駐車場の係をしていた人、パティシエを目指す人。経歴はばらばらだ。
では、その最強メンバーに回ってきた大仕事は何か。人手不足の立て直し、ではない。約7キロのかき氷を、テラス席まで運ぶことだった。
店はこの夏、テラス席を増やした。店主によると、ここへ運ぶのは店内の4倍難しい。階段を上って下りる。ドアを開ける。足元は砂利で、まっすぐ歩けない。おまけに扇風機の風が当たる。背の高いタワーには、どれもつらい。
店主も分かっている。「正直、気合ではどうにもならん。テラスばかりは」。ただ、そこで終わらない。「でもそれを超えて、気合で運べ」。番組では、新人に「大丈夫。気にすんな!お前の成長のひとつや」と声をかける場面もあった。
では、新人はタワーを運びきれたのか。中京テレビの公式記事は、テラス行きを「最大の難関」と書くだけで、結末は放送と配信動画に譲っている。
はっきりしているのは、来年の分だ。このかき氷は1年に1センチずつ高くなっているという。その通りなら、次の新人が砂利の上を運ぶタワーは、今年より1センチ高い。
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