全員を裸で集めるなんて
論外

――ある小学校の教諭が、昭和の健康法に

写真はイメージ Photo by Mads Leif Hansen on Unsplash

10/7 10:55 / 発信国:日本

昭和の乾布摩擦、やめた理由は誰も記録していない

冬の朝、上半身裸になって、乾いたタオルで胸や背中をこする。乾布摩擦という。昭和の学校や幼稚園では、子どもを校庭や園庭に並ばせ、集団でこれをやらせていた。昭和45年(1970年)1月に福井で撮られた記録映像が、今も公開されている。

狙いは、風邪をひかない体をつくることだった。当時は「心身共に鍛えられる」と言われていた。兵庫県丹波市の保育園の元園長は、丹波新聞の取材に「皮膚をこすって体温を上げることに重点を置いていた」と答えている。ただ、効果のほうは心もとない。五本木クリニック院長のブログは、皮膚の表面温度が2度近く上がるとする1999年の論文を挙げたうえで、体温が上がれば免疫力が上がるという根拠は乏しいとしている。肌をこすり続ければ、外傷性皮膚色素沈着の原因になりかねないともいう。

誰も禁止していない

今の学校でこれをやるのは、まず無理だろう。丹波新聞が現役の教諭に聞くと、「今は低学年でも別室で着替えさせるのに、全員を裸で集めるなんて論外」という声が上がった。かつて園児にやらせていた元園長も、「今は『虐待』と言われかねない」と話す。2020年2月の同紙の調べでは、丹波地域の小学校・幼稚園・保育園で実施はゼロだった。

誰もいない冬の校庭
写真はイメージ Photo by Andreas Haslinger on Unsplash

では、いつ誰が、やめると決めたのか。丹波篠山市で最後に確認できたのは平成元年(1989年)。いつやめたのか、なぜやめたのかは、どちらもはっきりしない。同市教育委員会の答えはこうだった。「確かな資料がなく、よく分からないことが多い」。禁止令も、廃止のお知らせもない。やめた日の記録が、どこにも残っていない。

禁止されていないから、終わってもいない。10月5日、この習慣を振り返る匿名ダイアリーの投稿が出て、はてなブックマークで416件のブックマークと251件のコメントを集めた。「肌はむやみに擦ってはならないという今の風潮とは真逆だ」と戸惑う声が並ぶ一方、「うちの子の幼稚園、乾布摩擦あるよ。まだやってるとこもあるよ…」という報告も混じっている。2025年2月6日のニュースでは、鹿児島県鹿屋市で園児が元気に乾布摩擦をする様子が流れた。

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