わざわざ皿に
移す必要ある?
――SNSで賛否が分かれた
写真はイメージ Photo by Sammy Xu on Unsplash
刺身が店っぽくならない理由は「高さ」? 盛り付け解説4本を比べてみた
スーパーで買った刺身を皿に移してみたのに、どうも店で出てくるあれにならない。そんな話をよく聞きます。
魚が悪いのだろうか、と思いがちです。ただ、盛り付けを教えている人たちの解説を読み比べると、鮮度の話はほとんど出てきません。
代わりに全員が書いているのは、高さと余白と色でした。筆者は4本の解説を並べて、どこが一致するのかを数えてみました。
ちなみに博報堂生活総合研究所の「生活定点」では、「刺身が好きな料理ベスト3に入る」と答えた人は2026年で14.4%です。1992年の初回から9.7ポイント下がっています。刺身は、黙っていても食卓に並ぶ料理ではなくなってきたようです。
解説4本が、同じことを別の名前で呼んでいました
比べたのは4本です。宮崎の釣り船「満福丸」のしのいちさん、神奈川県厚木市の鮮魚店三代目店主「魚屋三代目」さん、フードコーディネーターのいのうえ陽子さん、伊勢丹新宿店「東信水産」バイヤーの野地祐太郎さんの解説です。
まず高さ。満福丸は中高(なかだか)と呼び、これを基本の形としています。
魚屋三代目は「山水盛り」と呼びます。「左上の奥から手前に低く、山から川が流れるようなイメージ」だそうです。
いのうえさんは「奥側が高く、手前が低くなるよう立体的に」と書き、野地さんは「ツマを使って高低差をつけると立体感が出て、お皿が華やかに」としています。
呼び方は4通り。やっていることは1つでした。奥を高くして、手前へ流す。それだけです。
次に水気。4本のうち3本が、ここに念を押していました。満福丸はつまを冷水に5〜10分さらしたあとキッチンペーパーで水気を切るよう書き、「水分が残ると刺身が水っぽくなる」と理由まで添えています。
いのうえさんは「キッチンペーパーで固く絞る」。魚屋三代目は、マグロの赤い汁がついたつまを取り除き「さっと洗って水を切っておく」としています。
パックの刺身についても、満福丸は表面の水分をキッチンペーパーで押さえてから使うよう書いています。見た目の解説なのに、話は何度も水に戻ってきます。
皿の大きさを計算してみました
余白の目安は、満福丸が数字で出しています。「お皿の面積の6〜7割くらいに盛るイメージ」。皿は2〜3人分なら直径24cm前後の丸皿、または長辺25〜30cmほどの長角皿が目安だそうです。
計算してみます。直径24cmの丸皿の面積は約452平方センチです。その6〜7割なら、刺身が占めるのは271〜317平方センチになります。
では、家にありがちな直径20cmの皿だとどうでしょう。面積は約314平方センチしかありません。同じ300平方センチ分を乗せると、ほぼ全面が埋まります。
直径を4cm、つまり2割だけ大きくすると、面積は1.44倍になります。盛り方を変えなくても、皿を替えるだけで余白が生まれる計算です。
いのうえさんも、高級感を出すなら23〜25cmの大きめの皿に少なめに盛り、カジュアルなら15〜20cmと、ほぼ同じ線を引いていました。
色は、皿と添え物の両方で作ります。満福丸は赤・黄・青(緑)・白・黒の五色(ごしき)をそろえるとよいとしています。
魚屋三代目は、白身が多いときは濃い色の皿、白い皿なら濃い色の刺身、と逆から考えます。いのうえさんは黒・茶・深緑が映えるとしていました。
厚さにも数字がありました。満福丸はマグロ・ブリ・サーモンの平造りで8〜12mm、タイやヒラメなど白身のそぎ造りで3〜7mm。カゴメの公式サイトの解説でもマグロの平造りは1cm幅で、ほぼ重なります。
「わざわざ移す必要ある?」という声も
もっとも、皿に移すこと自体に反対の声もあります。
2021年3月1日放送のテレビ朝日系『モーニングショー』で、刺身をパックのまま出すかどうかが取り上げられ、SNSで賛否が分かれました。
grapeがまとめた声では、「我が家は皿に移し替えてくれてるな。食卓を囲む家族の気持ちは重要だよ」という意見が出た一方で、「パックでも元からきれいに盛り付けてあるし、わざわざ移す必要ある?」と書く人もいました。「皿だろうとパックだろうと、好きな人と食べるならおいしく感じると思う」との書き込みも紹介されています。
同じ時期にまいどなニュースへ寄せたコラムで、ハイヒール・リンゴさんはパックのまま出す側に立ち、「移し替えると、盛りつけがどうしても崩れてしまいます」と書いていました。崩れるのが怖いというのは、確かにそうだと筆者も思います。
まとめ
4本の解説を並べて、一致したのは高さと余白と水気でした。鮮度や魚の値段は、ほとんど争点になっていません。
今日から変えられるものを1つだけ選ぶなら、筆者は皿だと思います。直径を4cm大きくするだけで、面積は1.44倍。盛り方の腕を上げる前に、余白のほうが先に増えてくれます。
それでも崩れるのが心配なら、パックのままでいいという選択も残っています。見た目は大事ですが、どこまでやるかは食べる人が決めていいはずです。
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
40年仕入れてるけど、
こんな値は初めて
――エドノフーズの江戸野誠一郎社長
- 生活定点 「刺身が好きな料理ベスト3に入る」(博報堂生活総合研究所)
- マグロ切り方!プロ直伝さくから切るコツとつまの作り方、タレ3種(カゴメ株式会社 VEGEDAY)
- 刺身の盛り付け方|大葉・大根のつま・薬味できれいに見せるコツ(宮崎の船釣り 釣り船満福丸)
- パックの刺身を豪華な皿盛りにするコツ|鮮魚店店主が手順を解説(くふう トクバイニュース)
- 【刺身の盛りつけ】オシャレに見えて、ツマなしでも映えるコツをプロが伝授!(イエノミスタイル)
- 【プロ直伝】3つのポイントを押さえれば完璧!「映える」刺身の盛り方のコツ(FOODIE/三越伊勢丹グループ)
- 夫「刺身をパックで出すなんて、結婚した意味ない」 夫婦のエピソードに賛否両論の声(grape)
- 刺し身をパックのまま食卓に出してもいいか論争…「そんな文句をいうのは時代錯誤じゃない?」(まいどなニュース)