うちも、それくらいだけど
ダメなのかな?
――600万円は、全世帯の中央値より150万円上
写真はイメージ Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash
「世帯年収600万円は親ガチャ外れ」に430万表示 栃木の父親は「率直に悲しい」
10月9日、Xに「世帯年収600万円は親ガチャ外れらしいよ! それなら外れの親が多すぎるのでは」という投稿が出た。表示回数は434万回。翌10日の投稿は600万回を超えた。返信欄には、この年収で子どもを育てるのは無責任だという批判が並んだ。で、本当に低いのか。
全世帯の中央値は451万円
厚生労働省の2025年国民生活基礎調査によると、全世帯の平均所得は575万2千円だった。中央値は451万円。平均以下の世帯が61.5%を占めた。
つまり600万円は、日本の世帯のちょうど真ん中より、150万円ほど上にある。
ただ、児童のいる世帯だけを見ると、平均所得は857万3千円。600万円は、これを250万円ほど下回るが、この857万円には事情がある。
なぜ、子どもがいる世帯だけ高いのか。世帯主の年齢別に見ると、30〜39歳の平均は646万9千円だった。子育て中の世帯は、親が働き盛りの年代に集まる。共働きで二人分を足している家も多い。600万円は、30代の世帯の平均に、ぐっと近い額なのだ。
分布はどうか。児童のいる世帯のうち、年収500〜600万円未満が約1割、600〜700万円未満も約1割だった。この帯に、2割前後の家庭がいる。
栃木の父親「率直に悲しいですね」
集英社オンラインは10月17日、世帯年収約550万円で子どもを育てる栃木県の35歳の父親に話を聞いた記事を出した。本人の収入が約480万円、妻のパートが約70万円。5年前に新築の戸建てを買い、住宅ローンが月8万円、車のローンが月2万円。それでも貯蓄を毎月1万円以上続けている。
この父親は、同じ記事でこう話した。「日々の生活が苦しいとまでは感じません。ゲームもするし、外食もたまにします」。ただ、友人に誘われたときは「まず『いくらかかるんだろう』『妻になんて説明しようかな……』と少し計算してしまいます」とも言っている。
親ガチャの話については、「率直に悲しいですね。職場には僕と同じような人がたくさんいます」と答えた。そして「二人目の子どもを考えているのですが、このような論調が流布され、”責任感がない”と思われるのは残念です」と続けた。
同じ記事で、家計再生コンサルタントの横山光昭氏は、何でもかんでも削るのではなく、住居・保険・通信・サブスクといった固定費から見直すことを勧めている。
ネットの評判
Xの返信欄では、批判が目立った。「今の物価では不自由な暮らしになる」という声。そして「子どもはおもちゃじゃない」――経済的に不自由させると分かっていて産むべきではない、という主張だ。教育費が足りないのではないか、という心配も多かった。
一方で、擁護する声もあった。「3人家族なら暮らせる」「地域や生活水準による」。東京なら厳しいが地方なら足りる、という指摘は繰り返し出ていた。栃木の父親の家計は、後者にあたる。
全世帯の平均所得は、前の調査から7.3%増えた。それでも生活意識を「苦しい」と答えた世帯は55.4%で、2022年の調査より4.1ポイント増えている。
600万円は、全世帯の中央値より150万円ほど上にある。児童のいる世帯の平均より250万円ほど下にある。同じ年収が、比べる相手を変えるだけで、上にも下にもなる。
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