11か月で2億1000万円を横領

次の職場は、ギャンブル依存症の相談電話

10/21 11:49 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

11か月で2億円を横領した男、次の職場はギャンブル依存症の相談電話だった

アメリカ・フロリダ州で2026年10月16日、43歳の男に約9年10か月の実刑が言い渡された。前の勤め先から、11か月で140万ドル(約2億1000万円)を盗んだ罪だ。問題は、逮捕されたあとの彼の職場である。ギャンブル依存症の相談電話の、責任者だった。。。どういうことなのか。

男の名前はフィリップ・リー・サリバン。フロリダ州パナマシティの不動産管理会社ロイヤル・アメリカンで、CFOをしていた。手口は、会社のクレジットカードで、ネットのギフトカードや現金化できるカードを買い続けること。2023年4月からの11か月で140万ドル。月にならすと、1900万円を超えるペースだ。2024年3月、社内監査で見つかって逮捕され、解雇された。

ここまでなら、よくある横領の話である。おかしいのは、その次だ。

逮捕からちょうど1年後の2025年3月、サリバンは、フロリダ州のギャンブル相談電話888-ADMIT-ITの責任者になった。裁判は、まだ終わっていない時期だ。日々の運営とスタッフの管理、広報を任され、数百人の相談を受けたと伝えられている。

なぜ雇われたのか

いちばん知りたいところだが、運営する協議会が採用のときに起訴を知っていたかどうかは、出典では確かめられなかった。報じた各社のどこにも、協議会のコメントがない。彼がこの役職に就いていたことは、本人の公開プロフィール(LinkedIn)の記載として伝わっている。

法廷の法槌と机
写真はイメージ Photo by Sasun Bughdaryan on Unsplash

法廷では、妻が、処方されていたアデロールのせいだと話した。「この薬がなければ、彼はあんなことをしなかったと、固く信じています」。一方で検察は、計画的だったとする証拠を出した。会社の経理責任者は、サリバンが社内でお金をチェックする仕組みを操作し、不正を防ぐ安全装置を壊した、と証言している。

「病気だから」という見方

報じ方は、どこも皮肉が効いている。英語圏の見出しは、人を助ける側だったサリバンが、ギャンブル依存症のために盗んだ、と並べて書く。

カジノのスロットマシンの画面
写真はイメージ Photo by Carl Raw on Unsplash

ただ、別の見方もある。サリバンは量刑の3日前、ギャンブル啓発のポッドキャスト「ODAAT Gambling Awareness」に出ていた。そこで、貯金を使い果たして借金を抱え、失った金を取り返そうとしてさらに賭けた、と話している。盗んだ金を返すために勝とうとして、賭け続けたのだという。

依存症対策全国センター(国立病院機構久里浜医療センター)が載せるギャンブル障害の診断項目には、「賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い(失った金を『深追いする』)」という一文がある。数百人から相談を受けていた本人が、同じことをしていた。そう読むこともできる。

サリバンは6件の重罪について、争わない答弁をした。裁判所は全件で有罪と認め、量刑の日、保釈を取り消してその場で刑務所に送った。150万ドル(約2億2500万円)近くの賠償命令も出ている。相談電話の番号は、888-ADMIT-IT。英語で「認めろ」という意味だ。

次の視点

中止が4公演。倉敷は、無事に終わった

徳永英明、喉の不調からツアー復帰

ジャンルを変えて「エンタメ」から。いま読まれています 徳永英明、喉の不調から復帰 倉敷公演を無事に終える 中止4公演はどうなる?

高校が遠くなると、
お金がかかる

――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声

ジャンルを変えて「社会・暮らし」から。いま読まれています 2040年度までに県立高145校減 富山県は「閉校」の表現をやめた

迎えの車は、いりません
運転も自分でします

――新千歳空港に降りたタイのスティダー王妃

ジャンルを変えて「世界のニュース」から。いま読まれています タイ王妃が737を7時間操縦して北海道へ 冷ややかな声は、なぜ出てこないのか
出典

いま読まれている記事

  1. 1アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった
  2. 2「ブルーウォーカーにスマホ乗っ取られた」 ラヴィット!6年目で初の遅刻
  3. 3米司法省、カリフォルニアで永住者28人を起訴 登録20年超の人も
  4. 4宙返りしたテスラの新車、予約金3,750万円でも「届く保証はできない」
  5. 5「自衛隊の炊き出しゼロ」は本当だった なぜ国会で「謝れ」と言われたのか
← トップへ戻る