やる気のなさを看板に書いて、当選。。。

カナダ・ケロウナ市議選 37人中4位

10/21 08:00 / 発信国:カナダ / 記者:工藤

「やりたくない」の看板で市議に当選 カナダ・ケロウナで37人中4位

カナダ・ブリティッシュコロンビア州ケロウナ市の市議選で、「I barely want to do this」(やりたくない)と書いた看板を出した男性が当選した。やる気のなさを売りにした人だ。え、受かるのか。。。

名前はブレイディ・ロジャースさん、33歳。市内で店をやっている。元はロボットの自動化を手がける技術者だ。看板の言葉は、ほかにもある。「Just trying to pay my rent」(家賃を払いたいだけ)、「Fine. I’ll do it.」(分かった、やるよ)、「How hard can it be」(そんなに大変なのか)。看板のQRコードを読むと、こう書いてあった。「政治は楽しい? いいえ。自分が何をしているか分かっている? いいえ。でも資格はある? それもいいえ」。カナダのニュースサイトDaily Hiveによると、最初のころの看板には、councilを「coucil」「counsil」とつづり間違えたものもあった。

ふざけた候補が1人いた、で終わる話に見えるが、、、そうならなかった。

10月17日の統一地方選で、ロジャースさんは12,635票を取った。8議席を37人で争った市議選の4位。当選者の最下位は11,470票だった。一方、4期務めた現職のマキシン・デハートさんは9位で、305票差で落ちた。

笑いだけでは勝っていない

では、面白い看板を立てれば勝てるのか。そうでもない。同じ選挙には、ウェイクサーフィンやパラセーリングをしながら訴える動画を出した候補もいた。テレサ・メイさんだ。7,172票で落選。当選圏まで4,000票ほど足りなかった。

投票所に置かれた投票箱
写真はイメージ Photo by Oxana Melis on Unsplash

ロジャースさんは、看板だけで終わらなかった。市長候補に自分でインタビューした動画を出し、考えも並べた。路線バスについては「交通の目的は、形だけバスがあることではない。もっと多くの人が、車を持たなくても済むようにすることだ」。税については、土地に重く、建物に軽く課す方式を支持する。訴えていたのは、ホームレスの問題、家賃の高さ、小さな商店の支え。地味な話ばかりだ。

本人は選挙中、こう話していた。「資格がないと言っているのは、少しおちゃらけている。政治家をやったことはないが、関係があって役に立つ経験は、確かにある」。

では、有権者は何を見て入れたのか。ふざけた看板で議席が取れるなら、選挙は人気投票ではないか。そう言いたくなる。ただ、投票した人の理由を調べたものは、見つからなかった。分かるのは、笑いだけの候補が落ち、笑いのあとに政策を出した候補が4位だった、ということだけだ。投票率は30.2%だった。

当選後、ロジャースさんはこう言った。「投票してくれたみんな、ありがとう。かなりすごい。これで僕は市議らしい」。councilのつづりを間違えた看板を出した男が、そのcouncilに入った。

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