車がない家は、
どこで買えばいいの
――対象の店名は、まだ公表されていない
写真はイメージ Photo by Franki Chamaki on Unsplash
イオン最高益の裏、閉める100店の基準は「築40〜50年」
イオン傘下で、首都圏にマルエツ、カスミ、いなげやを持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)が、2030年度までに約100店を閉めると発表した。8月末で760店あるうち、1割を超える数だ。で、閉まるのはどこの店なのか。店名も時期も、まだ公表されていない。
閉める店を選ぶ基準は「築40〜50年」
井出武美社長が10月9日の決算の説明会で挙げた基準は、店舗年齢が40〜50年であることと、周りの人口の動きだ。地域については「エリアは特定していないが若干ルーラル(郊外)が多くなる見込み」と話した。
店舗年齢が40〜50年。つまり、その町に半世紀近く建っている店が、先に候補になるということだ。一方で、3年間で約50店を新しく出す予定もある。差し引きで約50店の純減になる。
赤字はスーパー、最高益を出したのは薬局とモール
イオン全体の2026年3〜8月の決算は、営業収益が5兆9,041億円、営業利益が1,307億円で、中間期としては過去最高だった。では、どこが稼いだのか。ツルハホールディングスが加わったヘルス&ウエルネス事業が596億9,000万円、イオンモールなどのディベロッパー・エンターテイメント事業が542億4,700万円。その一方で、総合スーパーの事業は126億3,100万円の営業損失だった。
U.S.M.Hだけで見ると、営業収益は5,447億7,900万円で14.0%増えたのに、営業損失が32億8,300万円。1年通しての最終損益の見通しも、1億5,000万円の黒字から80億円の赤字へ下方修正している。井出社長は「想定以上にインフレが厳しく」と話した。生鮮食品や、総菜に使うトレーなどの値上がりが読みを超えたという。760店のうち約3割が、経営の厳しい店だ。
イオンの吉田昭夫社長は、閉める100店を業態転換すると話した。候補に挙げたのは、ウエルシア、ビッグ・エー、まいばすけっと。総菜を作る小さな加工拠点にして、近くの店に配る案もあるという。赤字のスーパーを閉めて、最高益を出した薬局などに替える。決算書の形が、そのまま町の店先に出てくる、と読める。
ネットの評判
ハフポスト日本版が伝えた利用者の声には、心配が並ぶ。「近隣にいなげやもマルエツも複数あるけど、閉店は非常に困ります。高齢者が多い地域なので、もし閉店してしまうと自動車が無い家庭は死活問題です」。「年寄りは無くなったら困るだろうな」という声もあった。心配は、閉店そのものより、車のない家の買い物に向いている。
会社の側にも言い分はある。不採算店の見直しで24億円、不採算事業の見直しで18億円、物流の効率化で14億円。こうした積み上げで、全体で80億円のコストを減らすという。赤字の店をたたむのは経営として筋が通る、という見方と、その店しかない町がある、という声。分かれ目はここだ。
買い物に困る地域には、マルエツが移動スーパーを走らせている。トラックが住宅地などを定期的に回り、肉や魚、野菜など約500品目を売る。U.S.M.Hが2026年5月7日に出した知らせには、こう書いてある。「現在マルエツの移動スーパーでは、16台の車両が稼働しております」。閉鎖の対象は、約100店だ。
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