3,750万円払っても、届く保証はない、、、

テスラ・ロードスターの予約規約

写真はイメージ Photo by Hyundai Motor Group on Unsplash

10/19 15:56 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

宙返りしたテスラの新車、予約金3,750万円でも「届く保証はできない」

テスラが10月15日、新しいスポーツカー「ロードスター」を発表した。場所はテキサス州マクレガーにあるスペースXの試験場。車は半円のランプを逆さまに走り、そのまま空中で一回転して着地した。

えっ、車が宙返り。。。

同じころ、予約の受け付けも始まった。先に払うのは、一番安いPerformanceが5万ドル(約750万円)、上のThrustが25万ドル。日本円で約3,750万円。これが予約金だ。

で、その規約に何が書いてあるか。「ロードスターはまだ開発中であり、あなたの車がいつ実際に納車されるのか、あるいは納車されるのかを、私たちは保証できない」(訳)。届くかどうかは保証しない、と書いてある。

25万ドルで手に入るのは、生産が始まった場合の「おおよその列の位置」だ。確定した生産枠ではない。値段も決まっていない。テスラは、装備や仕様をまだ検討中なので正確な価格は出せない、と説明している。生産開始の目標は2028年だ。

お金は戻るのか。売買契約を結ぶまでは全額返金される、と規約にある。

9年待っている人たち

ただ、これを笑って読めない人たちがいる。2017年11月16日、テスラは最初のロードスターの予約を受け付けた。5万ドル、最初の1,000台のファウンダーズシリーズは25万ドル。生産開始は2020年の予定だった。2021年、2022年、2023年、2024年、2025年と延び、いまは2028年。9年で、1台も納車されていない。

車が置かれていない空のガレージ
写真はイメージ Photo by web seo on Unsplash

オープンAIのサム・アルトマン氏は2018年7月に予約し、4万5,000ドル(約675万円)を払った。2025年10月31日、返金を求めるやり取りをXに載せ、こう書いた。「本当にあの車を楽しみにしていた。遅れるのは分かる。でも7年半は、待つには長い時間に感じた」(訳)。追って送ったメールは、宛先不明で戻ってきた。

動画投稿者のマルケス・ブラウンリー氏も、8年待って解約した。解約のボタンはなく、電話をかけたら留守番電話。最初の5,000ドルは戻らないと言われ、のちに全額届いた。

発表会のロードスターは、止まった状態から時速60マイル(約97キロ)まで0.81秒だったとテスラが示した。会場は沸いた。宙返りも逆さ走りも、本物の映像だと確かめられている。

一方で、2017年に5万ドルを払った人が9年かけて手にしているのは、いまも「おおよその列の位置」だ。

それでも、宙返りする車が本当に道を走る日は、見てみたい。

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