うわ、これはまずい
――ある経営者が、SNSに一言
写真はイメージ Photo by Anne Nygård on Unsplash
米半導体株が6日で1.6兆ドル減 NISAで人気3位の投信に、その銘柄が並ぶ
2026年10月14日の米国株で、AI関連の銘柄がまとめて売られた。ナスダック総合指数は1.88%、S&P500種株価指数は1.11%下げた。半導体の代表的な指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6営業日続けて下がり、その間に構成銘柄の時価総額が合わせて1.6兆ドル減った。
翌15日、東京の日経平均株価は3,318円34銭安の6万4,425円95銭で終わった。下げ幅は歴代3位。6万5,000円を割り込んだ。
遠い国の数字に見えるだろうか。でも、14日に売られた銘柄は、日本のNISAの口座にも入っている。
NISAで3番目に売れている投信の中身
SBI証券のNISA口座で、2026年9月に積立金額が増えた投資信託の3位は「iFreeNEXT FANG+インデックス」だった。米国の10銘柄に、ほぼ同じ金額ずつ投資する投信だ。2026年3月末時点の中身を見ると、ブロードコムが10.0%、エヌビディアが9.8%、マイクロン・テクノロジーが7.5%。14日に売られた半導体の会社が、そのまま並んでいる。
1位と2位は「オール・カントリー」と「米国株式(S&P500)」だった。NISAの口座は3,048万850口座、累計の買付額は約85兆円(2026年6月末、金融庁)。2026年の1月から6月だけで13兆8,214億円が買われた。この半年分を単純に口座の数で割ると、1口座あたり45万円ほどになる。
1.6兆ドルという数字は、米国の投資家だけの話ではない。
きっかけは、物価とAI企業の借金
なぜ、急に売られたのか。理由は2つ重なった。
1つは物価。米国の9月の消費者物価指数は、前の年の同じ月より3.7%上がった。市場の予想は3.6%で、それを超えた。利上げがまた来るのでは、という見方が強まった。
もう1つは、AI向けのデータセンターを運営する米国の会社、コアウィーブだ。14日、この会社の2032年満期の社債が、額面1ドルあたり80セントを下回る値段で取引された。利回りは15%を超えた。株価は15.46%下がった。
コアウィーブの負債とリース債務は、6月末で約520億ドル。4〜6月に払った利息は6億4,000万ドルで、前の年の同じ時期の2倍以上だ。AIのデータセンターは、借金で建っている。金利が上がれば、その利息が重くなる。イーロン・マスク氏はXに「Yikes(これはまずい)」と書いた。
同じころ、OpenAIが売上の見通しを700億ドルから500億ドルに下げたことも伝わった。ブロードコムのホック・タン最高経営責任者は、AIに投資する人たちを「ギャンブラー」だと話した。
ネットの評判
掲示板サイトRedditの株の板では、「1兆ドルが消えた」という投稿に6,606件の支持と879件のコメントが付いた。Xでは、マスク氏の「Yikes」への反応が広がり、AI企業の借金への警戒が一気に話題になった。
日本側は、売り一色ではない。楽天証券の投資情報サイトに載った市場関係者の見方は「目先は慎重スタンス必要」「個別株の業績見極める局面」。株探が伝えた国内証券の見方では、日経平均が6万円から6万2,000円まで下がれば買い場と考える投資家も多いという。
下がった日に、売った人がいた
では、下がったとき、人はどうするのか。前にも似たことがあった。2024年8月、日経平均は2日で6,668円下がった。QUICK資産運用研究所の推計では、そのとき「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」から226億円、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」から78億円が流れ出た。下がった日に、売った人がいたということだ。
半導体のSOXは、15日も0.88%下げて6日続落になった。台湾のTSMCは7〜9月の売上が50.9%増、純利益が68.7%増だと発表したが、それでも買いは続かなかった。
ただ、日本で「歴代3位の下げ幅」と報じられた15日の夜、米国のS&P500種株価指数は0.33%上がっていた。
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