栄養は足りてる。
でも、なんか寂しい
――給食の写真を見た、ある人が
写真はイメージ Photo by Anna Sayfutdinova on Unsplash
砺波市の給食は本当に貧相なのか 営業部長が明かした皿の事情
10月16日、給食会社の営業部長を名乗る人が、学校給食が「貧相に見える」理由を自分のブログで説明した。結論は、こうだ。騒ぎの大半は、栄養ではなく、盛り付けと1日だけを切り取って見ることから起きている。
きっかけは、富山県砺波市が10月1日に公開した1枚の写真だ。小学3・4年生向けの献立で、コッペパン、牛乳、ミートボール(トマトソース)、グリーンサラダ、ポトフ。市は毎日の給食を写真つきでホームページと公式Xに載せている。この1枚に「戦時中の飯かな?」「育ち盛りにこれは酷」という声が付いた。Xでのインプレッションは15日時点で約2,850万回。リポストは1万4,000件を超えた。
市内の小中12校、約3,800人分を作る市の学校給食センターは、取材にこう答えている。「文部科学省が示す栄養摂取基準に沿って献立を考えている」。日によってカロリーのばらつきは出るが、おおむね目安に合わせて工夫している、とも話した。保護者から「足りない」という声は寄せられていない。学校給食摂取基準では、小学3・4年生の1食は650キロカロリーが目安だ。
大皿に盛ると、スカスカに見える
営業部長の説明は、ほとんどが皿の話だった。ミートボールとグリーンサラダを大きな丸皿に盛ると、どうしてもスカスカに見える。小鉢に分けて出していれば、騒ぎにならなかったかもしれない。真上から撮った写真については「映えない。ダサい」とも書いている。
食材費も、1日では見ないという。金額は1日あたりで決まるが、実務では1か月の合計で組む。だから、1日分だけを取り上げて騒ぐのはフェアではない、という理屈だ。
大量に作る現場の事情も挙げている。手の込んだ盛り付けは時間がかかり、異物が入るおそれも高まる。使える食器は限られ、運ぶ子の負担も考える。量が足りない子には、おかわりで応じる。ただ、見本の写真におかわりは写らない。
ネットの評判
はてなブックマークでは、16日夕方の時点で102人がこのブログ記事を保存していた。コメントは、きれいに割れている。
説明に納得する側では、「身内が給食の仕事をしているので似たような話が自然と耳に入ってくるが、結局は配膳(盛り付けや食器)次第」という声。「小学生の親になってわかったことは、牛乳が数字上のたんぱく質やミネラルをかなり大きく補填してくれるんやなあ」と、基準の中身に目を向ける人もいた。
納得していない側は、量そのものを問題にしている。「盛り付け方がイマイチということを加味しても尚少ないと思う」「自分が子供の頃の給食よりも明らかに貧相に見えるという話だろ」。基準そのものを疑う声もある。「白米ドカ盛りと牛乳200mlと貧相なおかずがあれば基準満たしちゃう基準自体が問題」。Xでは最初、「これ必要カロリー足りてんの?」という書き込みが目立った。
栄養は足りていても、寂しいときはある
ここからは筆者の見方だ。家の夕食でも、同じことが起きると思う。大きな平皿に、おかずを1品だけ載せる。カロリーもたんぱく質も足りている。それでも、皿の白いところを見ると、なんだか寂しい。この寂しさは、栄養の話ではなく、見え方の話だ。営業部長の整理は当たっている。ただ、見え方の話だから軽い、ということにはならない。
では、皿を増やせばいいのか。ここで財布が出てくる。4月から、公立小学校の給食の食材費には学校給食費の負担軽減が入った。月5,200円。月に20食食べるとすれば、1食260円である。その260円で、パンと牛乳とおかず3品をそろえている。
営業部長は、最後にこう書いている。「冷静に画像を見てもらいたい。他の日の給食も確認してもらいたい。騒ぐのはそれからでいいはずである」
言われたとおり、砺波市のホームページで別の日を開いてみる。10月13日はごはん、牛乳、エビシュウマイ、炒り大豆あえ、麻婆大根。15日は黒糖パン、牛乳、豚肉の生姜焼き、ゆでブロッコリー、わかめスープ。そして10月8日は、ソフト麺とミートソースだった。この日の献立には「ソフト麺だぁぁぁぁぁ!」「大当たりの日キターー!!!」という声が付いた。1枚で「貧相」と言われたのと同じ市の写真に、1週間後は「大当たり」が付いていた。
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