燃料代は上がるのに、
運賃は上がらない
――マイアミのトラック運転手が
写真はイメージ Photo by engin akyurt on Unsplash
アメリカの軽油高は、まだスーパーの値札に届いていない
アメリカの卸売物価が、9月に前の年の同じ月より6.3%上がった。米労働省が10月15日に出した生産者物価指数の数字だ。8月は5.6%だったから、1か月で一気に加速した。2022年12月に6.4%上がって以来の大きさだ。前の月と比べても1.3%上がり、2022年3月以来の最大だった。
何がそんなに上がったのか。前の月と比べた中身は、ほとんど燃料だ。モノの値段は2.6%上がり、2009年12月に統計を取り始めてからいちばん大きい伸びになった。サービスは0.8%だ。エネルギーは10.8%、ガソリンだけで20.3%。モノの上がり幅の半分は、このガソリン高で説明がつく。工場などが仕入れる加工品は2.5%上がり、その半分近くは軽油の21.0%上昇によるものだ。
では、なぜ軽油がそこまで上がったのか。米エネルギー情報局が9月18日に出した説明によると、ロシア・中国・中東で製油所の動きが落ち、世界で軽油が足りない。国内の在庫は、過去5年の同じ時期の平均より13%少ない。
1,000ドルの運賃が1,900ドルになる
軽油は、トラックの燃料だ。米エネルギー情報局によると、10月12日時点の全米平均は1ガロン6.179ドル。1年前より2.514ドル高い。
では、だれが払うのか。運送会社は燃料サーチャージで荷主に回す。ネバダ州トラック協会のポール・エノス氏は、公共ラジオ局KUNCに「通常の運賃が1,000ドルで、燃料サーチャージが90%なら、費用は1,000ドルから1,900ドルに動いたことになる」と話した。スーパーのビールも、カジノの一杯も、食料品も、運ぶ費用が上がったぶんは買う側に出る、とも言っている。
卸売物価にも、それは出ている。輸送と倉庫のサービスの値段は、9月に前の月より3.4%上がった。食品も1.2%上がった。
フォックスニュースが10月10日に伝えたところでは、マイアミの運転手スアーヴ・ドーセット氏は「燃料代は上がるのに、運賃は上がらない。財布に本当にこたえる」と話した。ホワイトハウスの報道官テイラー・ロジャース氏は同じ記事で、トランプ大統領が軽油代を下げる大統領令に署名したと説明した。
ネットの評判
9月15日にFacebookとInstagramに上がった1本の動画から、「10月1日にトラック運転手が一斉にストに入る」という話がXやTikTokへ広がった。投稿者は、食料が足りなくなると警告していた。
ただ、米ヤフーニュースの9月17日の検証記事では、報道機関も業界団体もストの計画を伝えていなかった。個人で車を持つ運転手らの団体OOIDAは「いまのところSNSのざわめきにとどまるようだ」と答えた。検証記事は10月1日より前のものだ。その日にストが起きたと伝える報道は、見つけられなかった。
値札に届くのは、これから
ここが、ややこしい。卸売物価は、店に並ぶ前の値段だ。9月に上がったぶんが、そのまま値札に乗っているわけではない。
しかも、上がり方は燃料に偏っている。食品とエネルギー、流通のサービスを除いた指数は、9月に前の月より0.5%、前の年と比べて5.0%の上昇だった。
軽油の値段は、10月12日までの1週間で2.0セント下がった。それでも1年前より2.514ドル高い。この2.514ドルは運賃に乗って、まだ店に向かっている途中だ。
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