鐘の音だけの曲が、2億回聴かれた

BTS『ARIRANG』、Spotify50億再生

10/15 18:03 / 発信国:韓国 / 記者:工藤

BTS『ARIRANG』が50億再生 Spotifyが主役に置いたのはBTSではなくARMYだった

BTSの5枚目のアルバム『ARIRANG』が、Spotifyで50億回再生を超えた。所属レーベルのBigHit Musicが、2026年10月14日に発表した。兵役を終えた7人がそろって出した最初のアルバムで、発売は3月20日。7か月足らずの数字だ。初日だけで1億1000万回を超えた。

発表の前日、10月13日はジミンの誕生日だった。同じ週、BTSはチリのサンティアゴにいる。10月14日、16日、17日に、エスタディオ・ナシオナルで3公演だ。

2位に20億回の差

どれくらいの数字なのか。2026年に出たアルバムのなかで、いちばん多い。2位はオリビア・ロドリゴの3枚目のアルバムで、『ARIRANG』はこれを20億回上回った。同じ年に出たブルーノ・マーズの新作は約10億回、ハリー・スタイルズの新作は約20億回。桁が違う。

人気が1曲に集まったわけでもない。収録の14曲が、それぞれ2億回を超えた。そのなかに「No. 29」がある。歌は入らない。聖徳大王神鐘の音だけでできた曲だ。それも2億回に届いた。

ビルボード200では3週連続で1位になった。グループ名義のアルバムで3週続けての首位は、2012年のMumford & Sons『Babel』以来だ。HYBEの2026年4〜6月の音源売上は、前の年の同じ時期より43.0%増えて3268億ウォン(約2億1800万ドル)。けん引したのは『ARIRANG』だった。偉業と言っていい。

賞から降りた7人と、数字

この記録を、Spotify自身はこう書いた。公式のInstagramに載ったのは「ARMY made ARIRANG the most streamed K-Pop album in Spotify history and the most streamed album in a single day in 2026.」(原文ママ)。主語がBTSではなく、ファンの呼び名であるARMYになっている。

この数字には、もう一つの背景がある。2026年7月29日、メンバー7人はInstagramで、2027年のグラミー賞に作品を出さないと表明した。Korea JoongAng Dailyの表記のまま引くと「We want music to be heard and loved for what it is, rather than categorized by region or language.」。地域や言葉で分けるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されてほしい(訳)。6月にはベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンスという部門ができていた。ただ、7人は投稿でこの部門に触れていない。

ネットの評判

50億回を伝えたファンの掲示板(Redditのr/bangtan)には、誕生日に重ねる声が出た。あるファンは「Birthday present for Jimin 🎉」(原文ママ)、別のファンは「Album of the year 🥳」(原文ママ)と書いた。収録曲「body to body」をもっと押してほしかった、と書いたファンもいた。賞に出さない判断についても、多くのファンが評価したと、7月31日に配信された記事(Decatur Radioほか)が書いている。

一方で、再生回数そのものを疑う見方もある。The Korea Timesは4月11日、David A. Tizzardの論考を載せた。熱を測るはずの数字が、熱を向ける先になってしまう、という指摘だ。ファンが組織的に再生を積む構造への批判で、BTSや『ARIRANG』を名指ししたものではない。

賞に出すのをやめた7人のアルバムが、2026年にいちばん再生されたアルバムになった。Spotifyはその記録を、BTSの名前ではなくARMYの名前で伝えた。

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