蚊1匹のために、
いくらまで出せる?

――ある夏の夜、枕元で

写真はイメージ Photo by Ronald Langeveld on Unsplash

10/5 00:18 / 発信国:中国

中国発、蚊をレーザーで撃つ20万円の機械 元を取るのに40年

飛んでいる蚊をレーザーで撃ち落とす家庭用の装置「Photon Matrix」の予約受け付けが始まった。作ったのは中国・常州の常州光子矩陣智能科技(Changzhou Photon Matrix Intelligent Technology)で、価格は1288ドル(約20万4000円)。公式ストアは15%引きの1088ドルを表示し、予約分は120日以内に発送するとしている。

動く様子は、メーカーが公開している動画で見られる。

仕組みはこうだ。LiDARが半径6メートル・水平90度の扇形を、毎秒5万回走査する。拾うのは、体長2〜20ミリで、秒速1メートル以下でしか飛べない物体。これを蚊とみなし、狙いを定めてから0.003秒でレーザーを撃つ。撃つのは蚊の羽を貫く低出力のパルスで、青い光が見える版と、見えない赤外線版がある。メーカーは毎秒30匹以上を落とせるとしているが、第三者が確かめた数字ではない。公式ストアによると消費電力は20ワット以下、動作音は30デシベル未満、保証は12か月。撃ち落とした数のランキングを専用アプリで見る機能も付く。

1晩で7000万回再生、注文が殺到した

GIGAZINEによると、クラウドファンディングの出足は鈍く、1日の調達額は約2000ドルにとどまっていた。流れが変わったのは、考案者の王川が何気なく撮ってTikTokに上げた動画である。1晩で7000万回以上再生され、注文が殺到した。最終的に、世界中から3000台以上の注文が集まったという。

クラウドファンディング当初の価格は648ドル(約10万3000円)だった。今の表示価格は、その倍近い。値上げの理由は、GIGAZINEの記事にも公式ストアの製品ページにも書かれていない。

ネットの評判

はてなブックマークでは161人がブックマークし、コメントが78件付いた。目立つのは安全を心配する声で、閉じていない場所でレーザーを使うのは怖い、目を蚊と間違えたらどうするのか、という指摘が並ぶ。レーザーをよけられる蚊だけが生き残るのではないか、という見方もある。同じような装置は10年近く前からクラウドファンディングに出ていた、と既視感を述べる声もあった。

安全については、メーカー側にも答えがある。ミリ波レーダーが大きな物体の接近を見つけるとレーザーを止める、という仕組みだ。公式ストアの仕様表は、IEC 60825-1のクラス4にあたる内部ダイオードを完全に囲い、多層の能動的な安全保護を備えると説明している。クラス4は、IEC 60825-1を日本語に訳したJIS C 6802で「ビーム内の観察及び皮膚への露光は危険」とされる区分である。ただし、製品全体としてどの等級で扱われるのかは、公式サイトの記載からは確かめられなかった。

線香とラケットと、並べてみる

まず費用を並べる。金鳥の渦巻は30巻入り1缶が1389円(アスクル、2026年10月4日時点)。1巻で約7時間もつので、1晩1巻なら46円ほどだ。電撃殺虫ラケットは、ケータイWatchの記事で498円。単三電池2本で動く。

レーザー側は電気代になる。消費電力20ワットで1晩8時間使うと0.16キロワット時。全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円で換算すると、1晩およそ5円。6月から9月までの120晩で、約600円になる。同じ120晩を蚊取り線香でしのげば、約5600円かかる。

効果はどうか。ここは並べにくい。線香は1巻で約7時間、煙が部屋に回る。レーザーが守るのは、公式ストアの書き方では半径6メートル・水平90度の扇形という、平らな面一つである。ラケットは、人が振った分だけ効く。三つを実際の駆除効果で比べた第三者のデータは、見つけられなかった。

動かす費用だけなら、この機械は蚊取り線香より年5000円ほど安い。ただし本体は20万4000円である。差額を線香代で埋めるには、40年あまりかかる計算になる。

次の視点

43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える

Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」

ジャンルを変えて「おもしろ」から。いま読まれています アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった

中止が4公演。倉敷は、無事に終わった

徳永英明、喉の不調からツアー復帰

ジャンルを変えて「エンタメ」から。いま読まれています 徳永英明、喉の不調から復帰 倉敷公演を無事に終える 中止4公演はどうなる?

40年仕入れてるけど、
こんな値は初めて

――エドノフーズの江戸野誠一郎社長

ジャンルを変えて「政治経済」から。いま読まれています 銚子のサバ加工、約2割が倒産や廃業 国産に替える道はあるのか
出典

いま読まれている記事

  1. 12040年度までに県立高145校減 富山県は「閉校」の表現をやめた
  2. 2「PayPayで十分」は本当? JR東「teppay」の還元率を比べてみた
  3. 3「ブルーウォーカーにスマホ乗っ取られた」 ラヴィット!6年目で初の遅刻
  4. 4タイ王妃が737を7時間操縦して北海道へ 冷ややかな声は、なぜ出てこないのか
  5. 53位DeNAが日本シリーズへ 今年できた「2勝アドバンテージ」はなぜ使われなかった
← トップへ戻る