地元に帰り、頭を丸めて
謝罪行脚をした方がいい
――ある支持者が、応援してきた大臣に
写真はイメージ Photo by Chandler Cruttenden on Unsplash
交付金が要望の3割に 栃木の町があきらめた山あいの道
栃木県那珂川町が、山あいの集落を通る町道を広げる工事を、今年度はあきらめた。国から来る道路のお金が、前の年より54%減ったからだ。例年は町が要望した額の7〜8割が配られていたのに、今年度は約3割しか来なかった。毎日新聞が10月10日に伝えた。
那珂川町と那須烏山市。この2つは、簗和生農相が道路予算を大幅にカットしたと話していた自治体だ。簗氏は10月5日に発言を撤回し、「極めて不適切であり、反省している」と謝った。辞任は否定している。
「国交省にやらせます」から、止まった工事まで
今年2月の衆院選で、栃木3区は保守が分裂し、簗氏と渡辺真太朗氏が争った。簗氏は小選挙区で負け、比例復活で6選を決めた。那須烏山市の市長と那珂川町の町長は、渡辺氏を応援していた。
5月24日の夜、大田原市で自民党県連大田原支部の会合があった。そのあとの懇親会で、簗氏は2市町の今年度の道路予算を大幅にカットしたと話した。このときはまだ農相ではなく、自民党の筆頭副幹事長だった。
もっと前にも、似た話がある。2024年12月22日、大田原市の事務所であった会合で、簗氏は「予算の箇所付けを国土交通省にやらせます」と話していた。朝日新聞が、この音声を手に入れている。
配分額が決まる前の2月中旬ごろ、簗氏は当時の佐々木紀国土交通副大臣と黒田昌義官房長に問い合わせをしていた。黒田氏は「はっきりと覚えていないが、働きかけや圧力はなかったと思う」と話している。
要望の3割で、どの道を落とすか
ここが本題だ。お金が3割になれば、町はどの工事を落とすかを選ぶことになる。那珂川町が落としたのは、中心部から約10キロ離れた集落を走る町道の拡幅だった。地元の70代の農家の男性は「林業の大型車両も通って危ない」と訴えている。
那須烏山市でも、2013年から進めてきた富士見台工業団地沿いの道路の拡幅が止まった。市が要望した額に対し、配られたのは5割ほどだ。市内の50代の女性は「山間部で道路工事が止まる影響は大きい。あんな発言をしていて、減額が偶然とはとても思えない」と話す。
簗氏を支持してきた人からも、きつい言葉が出ている。先の70代の男性は「この地域にも支持者はいる。早く辞任して地元に帰り、頭を丸めて謝罪行脚をした方がいい」と語気を強めた。
発言が原因なのかは、まだ分かっていない
では、減ったのは発言のせいなのか。そこは確かめられていない。簗氏は「予算削減の働きかけをしたという事実はございません」と否定した。国土交通省も働きかけを否定し、配分は重点事業の有無などを踏まえて決めたと説明している。
このお金は社会資本整備総合交付金と呼ばれる。減ったのは、この2市町だけではない。井林辰憲国交相は10月9日の会見で、要望のあった都道府県・市町村のうち「約1割で対前年度比50%未満の配分」になっていると話した。
ただ、並べてみると気になる数字もある。共同通信によると、2026年度の内示額は那須烏山市が約63%減、那珂川町が約54%減。一方で、簗氏を応援した首長がいる那須町は約34%増、那須塩原市は約11%増だった。那須烏山市の市長は「疑惑はむしろ深まった」と指摘している。
来年度の配分が元の水準に戻るかどうかが、関連を測る目安になるという見方も出ている。ただ、戻ったとしても、那珂川町が今年あきらめた山あいの町道は、まだ広がっていない。
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- 大臣会見:井林大臣会見要旨(2026年10月9日)
- 簗氏支持者も「頭を丸めて地元へ戻れ」 工事停止に不安と怒り(毎日新聞2026/10/10の記事を紹介)
- 簗農相、国土交通副大臣に照会 道路予算、対抗馬減で応援側増(共同通信)
- 地元に予算配分「国交省にやらせる」 簗農水相が24年の会合で発言(朝日新聞)
- 簗農相「予算大幅カット」発言の背景は? 衆院栃木3区、保守分裂や確執の経緯を振り返る(下野新聞・無料公開)
- 簗和生農相「道路予算カット」発言を撤回して謝罪 辞任は否定(毎日新聞)
- 簗和生農相、予算カット発言を認める 辞任は否定(東京新聞)
- 簗農相 自治体の道路予算カット発言を撤回し謝罪(毎日新聞 公式YouTube)