座る時間がいちばん長いのは、高齢者ではなかった
全国2459人の活動量計の記録
写真はイメージ Photo by Microsoft Copilot on Unsplash
現役世代の3割が1日10時間超 いちばん座っていたのは20代の9.3時間
2026年10月7日、笹川スポーツ財団と明治安田厚生事業団が、座っている時間の調査結果を発表した。全国の20〜79歳2459人の腰に活動量計を着けてもらい、土日を含む7日間、測った。2459人の真ん中にあたる人が座っていたのは、1日531.5分。8.9時間だ。
そのうち1日10時間以上座っていた人は、20〜64歳で31.3%。3人に1人だ。
「まあ、年を取れば動かなくなるしな」。そう思った人は、ここで予測が外れる。65歳以上で10時間を超えていたのは26.7%。現役世代のほうが多かったのだ。年代ごとに見ると、先頭は20代。男性でも女性でも、ここがいちばん長い。約560分、9.3時間である。
なぜ若いほうが長いのか。発表は、そこには触れていない。測った時間が並んでいるだけだ。
大きい話と、小さい話
座りすぎの影響は、大きいものから小さいものまである。大きいほうは、命の話だ。WHOは、死亡につながる危険の大きいものを順に挙げたなかで、体を動かさないことを4番目に置いている。その上は、高血圧、喫煙、高血糖の3つだけだ。糖尿病や心血管の病気、認知症、抑うつにつながる恐れもあるという。
では、小さいほうは何か。腰だ。背骨の骨と骨の間には、椎間板というクッションがある。済生会のコラム(解説は龍ケ崎済生会病院の作業療法士)によると、ここにかかる圧力は、立っているときを100とすると、座ったときは140。座るだけで、腰への負担は4割増える。
30年後の腰
ここに、別の統計を重ねてみる。厚生労働省の2025年の国民生活基礎調査で、自覚症状の訴えがいちばん多かったのは、男女とも腰痛だった。有訴者率は、男85.9、女100.8と報じられた。日本人の訴えの1位は、すでに腰なのだ。
その国で、いちばん座っているのが20代である。その20代が50代になるのは30年後。腰痛はどうなるのか。
正直に言うと、分からない。今回の調査は7日間の記録で、何十年先を予測したものではない。座っている時間と将来の腰痛の関係も、この発表では確かめられていない。
分かっているのは、やることだけだ。厚労省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に「座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する」と勧めている。長く座るときは、できる限り頻繁に、たとえば30分ごとに中断するとよい、という解説も付いている。済生会のコラムのほうは、30分から1時間に一度、数分動くとよいとしている。
ちなみに、この調査で活動量計を着けた場所は、腰である。
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