分電盤は、法律で
15年と決まっています
――電力会社を名乗る人が、70代の女性に(詐欺)
写真はイメージ Photo by Mark Kats on Unsplash
分電盤の点検商法、相談が2年で160倍 本物の点検は4年に1回・無料
2026年9月16日、国民生活センターが注意を呼びかけた。分電盤の点検を持ちかけて、交換工事を契約させる点検商法の相談が、2025年度に6,545件あった。2023年度は39件。2年で160倍を超えた。契約した人の8割超が70歳以上だ。
国民生活センターが挙げた例は、こうだ。まず「電力会社のものですが分電盤の点検に伺います」という電話がかかってくる。来た業者は、分電盤を見てこう言う。「分電盤の耐用年数は法律で15年と決まっている。漏電したら大変なことになる」。70代の女性は、その場で約14万円の交換工事を契約した。2025年9月に寄せられた相談だ。
ほかにも、市役所から依頼されたという業者と交換の契約をした例、点検のあとに費用を現金で払ったが契約書を受け取っていない例が載っている。
これは、もう関東だけの話ではない。時事通信によると、2025年度の地域別は南関東が4,193件、北関東が819件。九州北部380件、九州南部・沖縄305件、東海234件、東北南部219件と続く。2026年度も、7月31日までで2,223件ある。国民生活センターは、経済産業省と一般社団法人送配電網協議会に、法定点検の正しい情報を知らせるよう要望した。
なぜ、2年でここまで増えたのか。犯罪ジャーナリストの多田文明さんは、屋根工事などの別の商材を扱っていた点検商法の業者が、分電盤に移ってきた可能性を挙げている。ただ、これも「可能性」の話だ。
15年という決まりは、ない
ここが、いちばん大事なところ。住宅用の分電盤に使用期限を定めた法律は、ない。時事通信がそう報じている。あの「15年」に、法律の裏付けはない。
では、点検そのものがうそなのか。そこが、ややこしい。本物の点検は、ちゃんとある。電気事業法で、電力会社には家の電気設備を調べる義務がある。この法定点検は、一般の家庭では4年に1回、無料だ。だから「点検に伺います」という電話が、うそに聞こえない。本物の制度があるから、うその電話もそこに紛れ込めるのだろう。
そして、ここが分かれ目になる。本物の点検では、調査員が交換工事の契約を持ちかけることはない。
実家の玄関に、この四行
越谷市が、本物の点検の特徴をまとめている。順に書く。
一つ。先に紙が来る。本物は、必ず事前に書面で知らせてから訪ねてくる。電話から始まらない。
二つ。お金は取らない。点検で費用を求められることはない。
三つ。調査員証を持っている。登録調査機関の調査員が、それを携帯してくる。玄関で見せてほしいと頼んでいい。多田文明さんも、調査員証の確認を求めるよう書いている。
四つ。工事の話をしない。点検のあとに交換を勧めてきたら、本物ではない。
この四行を紙に書いて、実家の玄関に貼っておく。電話口で何度も説明するより、たぶんそのほうが早い。
もう契約してしまった、という場合はどうなるのか。訪問販売にあたるなら、契約書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる。迷ったら、消費者ホットラインに電話する。番号は、局番なしの188だ。
本物の点検は、4年に1回。先に紙の通知が来て、お金は取らず、工事の話はしない。
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