ベジファーストの正体は、ドレッシングの油?
はてなブックマークのコメントから
写真はイメージ Photo by Janesca on Unsplash
ベジファーストは油のおかげ? ドレッシングの会社が先に調べていた
京都大学などの研究グループが2026年10月9日、油を糖より先にとると食後の血糖が上がりにくくなる仕組みを、マウスで解明したと発表した。はてなブックマークには、10月10日時点で447人が登録している。コメント欄に、サラダ派には痛い一言があった。
「ベジファーストの原理が、野菜サラダに掛けられたドレッシング油の効果だった可能性…?」
言われてみれば、確かに。野菜を先に食べると血糖が上がりにくい、という話は前から広まっている。だが、そのサラダにはたいていドレッシングがかかっている。偉いのは野菜ではなく、油なのか。
研究が確かめたのはこうだ。京都大学や岐阜大学など10機関のグループは、マウスにオリーブ油を与え、その15分後にブドウ糖を与えた。すると胃排出が遅くなり、糖をとった直後の血糖の上がり方が抑えられた。効いていたのはグルカゴンとGLP-1の信号で、片方を止めても効果は残り、両方を同時に止めたときだけ消える。互いに代わりを務めていたらしい。迷走神経を切ると、ホルモンは出ているのに効果は弱まった。2型糖尿病のマウスでも効いている。論文は10月8日、『Diabetes』に載った。
ドレッシングの会社が、先に調べていた
では、ベジファーストはドレッシングのおかげだったのか。その問いに近い実験を、4年前にやった会社がある。ドレッシングを売るキユーピーだ。
健常な男性13人に、ごはん150g、千切りキャベツのサラダ175g、その搾り汁220gを、順番を変えて食べてもらった。肝心なのはここだ。サラダにも搾り汁にも、同じ焙煎胡麻ドレッシングを30gずつ入れている。油はそのままで、食物繊維は9割抜いてある。
結果、サラダを先にしたときだけ、45分後の血糖値が統計上はっきり低かった。同じ量のドレッシングが入った搾り汁を先に飲んでも、その差は出なかった。
ただし、サラダと搾り汁の違いは繊維だけではない。試験を報告したキユーピーの松岡亮輔氏は「野菜サラダと野菜サラダの搾り汁の違いは噛むことである」と書いている。噛めば唾液と混ざり、繊維が粘りを持つ、という説明だ。
つまり、ベジファーストは油だけのおかげ、とは言えない。ただ、油が無関係でもない。岐阜大学のリリースは「食事では、『何を食べるか』だけでなく、『どのような順番で食べるか』も食後血糖に影響します。」と結んでいる。油を先にとる効果がヒトでどれだけ出るかは、今回の研究では確かめていない。マウスの話である。
そしてそのマウスは、油を飲んでから15分、何も食べずに待っていた。定食のサラダとごはんの間に、15分の空白を作れる人は、どれだけいるだろうか。
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