また漏れた。
これで5社目じゃない?
――ある利用者が、流出の発表を見て
写真はイメージ Photo by Sasun Bughdaryan on Unsplash
大学のサーバー500台と、1078万件。背景に挙がる中国製AI
10月2日の未明、大阪公立大学のサーバーが約500台、一斉に止まった。原因はランサムウェアだと、大学は10月5日に明らかにした。バックアップの多くも暗号化され、8日まで全授業が休講。9日から再開する予定だ。13万人分以上の個人情報を置いたシステムも侵害された。外に持ち出されたかは調査中だ。
同じ週、物語コーポレーションは10月5日、焼肉チェーン「焼肉きんぐ」の公式アプリから会員情報1078万8963件が漏れたと発表した。アプリの登録は1080万8784件。ほぼ全員だ。漏れたのは会員番号、氏名、メールアドレス、電話番号。パスワードや決済の情報は入っていないという。
大学と、焼肉チェーンが、同じ週に止まる。なぜそんなことに?
落とせるAIは、回収できない
名前が挙がっているのは、中国製のAIだ。ビジネス+ITは10月7日、同時多発攻撃の背景に「DeepSeek、GLM、Kimiなどに代表される中国のフロンティア級オープンウェイトAIモデルの急速な拡散」があると書いた。オープンウェイトモデルとは、誰でも手元に落として動かせるAIのことだ。
アクセンチュアの藤井大翼氏は、閉じたAIとの違いは「ベンダーの制御が効くかどうか」だと話す。会社が運営するAIなら、規約を破ったアカウントを止められる。落としたAIは「監視されずに利用でき、発行元が回収・制御するのも難しい」。
値段も違う。英国のAI Security Instituteは2026年7月、GLM-5.2とDeepSeek V4-Proが非公開の最先端モデルに4〜7か月遅れまで迫ったと報告した。1億トークン分の同じ演習にかかった費用は、GLM-5.2が約46ドル、DeepSeek V4-Proが1.19ドル。最先端の有料モデルの71分の1だ。
攻撃する側は、AIの安全装置を外す手も使う。ビジネス+ITは脱獄チューニングと不正な蒸留を挙げている。
セキュリティ会社Gambit Securityは9月22日、9月10日から15日までの6日間に「少なくとも27社が程度の差はあれ侵害された」攻撃を報告した。
国内の発表に「AI」は出てこない
では、日本の被害も、そのAIのせいなのか。
ある検証記事によると、Gambitの報告が日本に触れたのは「日本の旅行予約サイト」1件だけ。国内の12件の発表と報道に、「生成AI」などの言葉は1件も出てこなかった。その記事は「原因だったとも、そうではなかったとも断定できない」と結んでいる。
ただ、数が増えているのは確かだ。Microsoftが10月5日に公開した年次報告では、中国の国家支援型攻撃の標的として、日本は20%で3位。日本でランサムウェアの影響を受けた件数は57件から95件になり、前年比67%増だった。
ネットの評判
掲示板のまとめサイトでは、焼肉きんぐの発表に「なんでこんな急に流出しまくってるの?これで5社目くらいじゃん」「もう漏れてない人のほうが少ないのでは?」という声が並んだ。「ワイパスワード使いまわしてるからやばいかもしれんな」と、身を心配する声もある。AIに触れた書き込みは、ほとんど見当たらない。
藤井氏が勧めるのは、入られる前提で備えることだ。バックアップを取ること、社内のネットワークを細かく区切ること、自社の中身を外から見えにくくすること。大阪公立大学は、そのバックアップの多くも暗号化された。
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- 日本を襲う同時多発サイバー攻撃(ビジネス+IT、2026年10月7日)
- 「焼肉きんぐ」個人情報約1079万件が漏えい 公式アプリのシステムに不正アクセス ほぼ全会員分に相当(ITmedia NEWS、2026年10月5日)
- 大阪公立大学、ランサムウェア攻撃で約500台のサーバー停止―バックアップの多くも暗号化、8日まで全授業休講(セキュリティ対策Lab)
- オープンモデル普及で“お手軽”になるサイバー攻撃 防御側が今すべき「侵入前提」の対策(ITmedia AI+、2026年9月3日)
- オープンウェイトAIはサイバー攻撃をどこまで変えた?27社侵害と日本の漏えいを検証(XenoSpectrum、2026年10月7日)
- AIの自律型サイバー攻撃が実環境へ、日本は中国国家支援型攻撃の標的3位-Microsoft Digital Defense Report 2026(セキュリティ対策Lab)
- 【速報】焼肉きんぐ、1078万件の個人情報流出→「最近多すぎる」の声続出(ヤバイ!ニュース)
- 大阪公立大学 大規模システム障害は「サイバー攻撃」だった…根幹サーバーがランサムウェア被害(YouTube、2026年10月5日)
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