会社のパソコンに、
他社のAIを入れていい?
――ある社員が、情報システム部に
写真はイメージ Photo by Carlos Muza on Unsplash
Googleドキュメントの横に、ライバルAIが座った
会社が全社員に配った文書ソフトには、そのソフトを作った会社のAIが最初から付いていた。そこへ競合のAIが「この文書の横に、私も座らせてほしい」とやってくる。——これはたとえ話で、日本で起きたことではない。実際の舞台はGoogleのアプリだ。米Anthropicは2026年10月6日、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドの横に「Claude」のサイドバーを開けるアドオンを、パブリックベータとして公開した。
開いているファイルを、そのまま直す
使えるのは、Claudeの有料プラン。Pro、Max、Team、Enterpriseの4つだ。Google Workspace Marketplaceから一度追加すれば、3つのアプリすべてに入る。開いていたファイルを読み込み直し、メニューの「拡張機能」からClaudeを開く。
Claudeは、開いているファイルの中身と、こちらが選んだ文字・セル・スライドを読む。ドキュメントでは、書式を保ったまま文を直す。大きく書き直すときは、サイドバーに提案カードを出し、採るかどうかを人が決める。スプレッドシートでは、数式やピボットテーブル、グラフを作る。表の結合や誤りの直しのような重い作業は、Pythonで処理して、きれいにした結果をシートに書き戻す。スライドでは、いま開いているファイルと同じレイアウトとテーマで新しいページを足す。要素の重なりやはみ出し、読みにくさは、Claudeが自分で点検する。
初期設定は「編集の前に聞く」。Claudeが何をするかを説明し、こちらが許可を押すまで動かない。「すべての編集を許可」に切り替えると、一つずつの確認をやめて進む。
Geminiが先に座っていた席
ここが、今回の面白いところ。Google Workspaceには、もともとGeminiが組み込まれている。Googleの案内によると、月1,600円のBusiness Standardにも、Gmailやドライブ、スプレッドシートのAI機能が含まれている。今回のアドオンは、Googleが用意した席の隣に、競合がもう一つ椅子を置いた話なのだ。
ただ、無料で座れるわけではない。Claude側の有料プランが別に要る。会社で使うなら、TeamとEnterpriseでは管理者の承認も必要になる。Google側の管理者も、Marketplaceの許可リストで入れるかどうかを決められる。
できないことも、わりとはっきりしている。アドオンは、開いている1ファイル以外を勝手に開けない。ドライブのほかのファイル、Gmail、カレンダー、連絡先には届かない。ドキュメントのコメントは読めず、返信も解決もできない。ブラウザはChrome、Edge、Safari。Firefoxはこのベータでは動かず、サイドバーは出ても処理が終わらない。1回の処理は6分まで。サイドバーを閉じると、作業は途中で止まる。やり取りした内容は、原則30日以内にAnthropicのシステムから消える。
ネットの評判
Google Workspace Marketplaceの掲載ページには、公開の翌日(10月7日)の時点で、利用者が「8K+」、つまり8,000以上と出ている。レビュー欄は5件で、「Great」「greatest」といった短い称賛が並ぶ。同じ欄には、プロンプトインジェクションを心配する声も1件あった。別のAIで報じられた弱点を引いて、同じように文書やシートから情報を抜き取られる危険はないかを問いかけるものだ。日本語圏はまだ静かで、GIGAZINEの記事に付いたはてなブックマークは2件、コメントはなかった。
では、Claudeが直した場所は、あとから見分けられるのか。Anthropicの説明では、Claudeの編集はGoogleが「あなたの名前で」記録する。ファイルの変更履歴には、自分で打ち直したのと同じように並ぶ。1か所ずつ取り消すことも、前の版に戻すこともできる。
直したのはClaudeでも、履歴に名前が残るのは自分だ。
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
40年仕入れてるけど、
こんな値は初めて
――エドノフーズの江戸野誠一郎社長
- Claude now works with Google Docs, Sheets, and Slides
- Use Claude in Google Docs, Sheets, and Slides(Claude公式サポート)
- Claude for Google Workspace(製品ページ)
- Claude - Google Workspace Marketplace
- Google Workspace のAI(Gemini)の案内ページ
- ピボット テーブルの使い方(Google ドキュメント エディタ ヘルプ)
- OWASP Top 10 for LLM Applications(LLM01 Prompt Injection)
- ClaudeがGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートと接続可能に - GIGAZINE
- はてなブックマーク(GIGAZINEの上記記事のエントリー)
- ClaudeがGoogleドキュメントやスプレッドシートに入ってきた - ゴリミー
- Claude for Google Workspace™(Claude公式YouTube、oEmbedで提供元を確認)
あなたへのおすすめ よく読むカテゴリーから
こちらの記事も
『はい』を押す前に、
中身読んでる?
――AIに許可を求められた人へ
AIに確認を任せたら人間より安全だった Claude Codeの既定が変わった
AIが速すぎて、人が渋滞の原因になった
Claudeのセッションの約8割は、人の入力待ち(Anthropicの公表)
AIが速すぎてコード工場が渋滞 Claudeのセッションの8割は「人待ち」
もう買い替えかな、
このパソコン
――AIにコードを書かせていた開発者が
Macの起動が20分、故障かと思ったら AIが残した99万ファイルだった
一行ずつは読まない。
意図だけ見る
――Anthropicが、AIの書いたコードを