私のAIが、
勝手に答えてない?
――LINEのトークに入った、日程調整AI
LINEの日程調整AI、相手に渡るのは「△」ひとつ
LINEヤフーは10月5日、アプリ「LINE」に「日程調整エージェント」を試験公開した。トークルームの中でAIが飲み会などの候補日を出し、参加者の都合を集めて日時を決める機能である。使うには、アプリ内の「LINEラボ」で自分でONにする。LINEラボは、正式に公開する前の機能を試せる場所だ。
ONにすると、メッセージを打つ欄の下に「日程調整」が出る。そこに「来週飲み会がしたい」のように書き込むと、AIが調整のタイトルと候補日時を作る。発表文によれば、「土日だけにして」「自分の予定がある日は外して」と話し言葉で注文を付けて、作り直させることもできる。
「AIにおまかせ」を押すと何が起きるか
参加者は、候補日ごとに「○」「△」「×」で答える。ここで「AIにおまかせ」を押すと、AIが自分の「LINEカレンダー」に入っている予定を見て、回答を提案する。発表文が挙げている判定の例はこうだ。予定が重なっていない日は「○」、候補日の前後に予定がある日は「△」、予定が重なっている日は「×」。LINEカレンダーをスマートフォンのカレンダーとつないでいれば、つないだ側の予定も見る。
ただし、AIの提案がそのまま送られるわけではない。発表文には「参加者は提案内容を確認したうえで、自身で回答を変更するかどうかを選択できます」とある。送る前に、本人が中身を見て、変えるかどうかを決める。
全員の都合が合う日がないときは、AIが参加者それぞれに「この日を○にすると全員が参加できます」と持ちかける。回答期限の24時間前には、トークルームにリマインドが流れる。決まった日時は、結果の画面からLINEカレンダーに入れられる。
自分のAIと、相手のAIはつながるのか
気になるのは、自分のAIと相手のAIが、裏で手帳を突き合わせていないかという点だ。発表文の注記は、そこを一行で否定している。「AIが参照するのは、本機能を利用するユーザー本人の予定です。他の参加者のカレンダーや予定を参照することはありません」。
AIが読むのは自分の予定だけで、相手に届くのは○△×の記号である。ただし、その記号には意味が割り振られている。発表文は「△」が付く例として、候補日の前後に予定がある場合を挙げている。AIの提案をそのまま送れば、予定の名前や会う相手は伝わらない。かわりに、その日の前後が埋まっているかどうかが、記号を見た相手に伝わることになる。変えるかどうかは、本人が決める。
ほかの条件も発表文にある。使うには「LINE」アプリのバージョン26.15.0以上が必要で、提供は日本国内のみ。AI機能を初めて使うときは、情報利用の同意を求められる。13歳未満は利用を控えるよう書かれている。処理には「Gemini Enterprise Agent Platform(旧 Vertex AI)」またはOpenAIのAPIを使う。出力の信頼性や正確性は保証しない、とも書かれている。なお、日程調整に誘われた側もLINEラボでONにする必要があるのかは、発表文にも報道にも記載がなく、確かめられなかった。
ネットの評判
この機能そのものへの反応は、本誌が調べた範囲では見つからなかった。ただ、同じ入力欄に出た別のAIには、すでに声が上がっている。ITmedia AI+が5月15日に伝えたところでは、トークルームの入力欄の直下に置かれた「トークルームのAgent i」に、Xで「邪魔すぎ」「誤タップする」という批判が出た。「便利な時もある」とする声もあったという。表示を消す設定が30日間で切れることにも、「なぜ30日間限定?」「そんなに使わせたいのか」という反応が出ていた。なお、同記事でLINEヤフーが「ユーザーインタフェース(操作画面)の改善を検討していく」と答えていたのは、その前にあった「LINE AIトークサジェスト」への批判についてである。今回の「日程調整」も、同じ入力欄の下から起動する。
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