カップ麺て、本当に体に悪いの?
――スープを残せば2.8g塩分が減る
写真はイメージ Photo by sq lim on Unsplash
インスタントラーメンは体に悪い? 誤解を5つ解くと、塩だけが残った
インスタントラーメン1食に、食塩はどれくらい入っているのか。日本即席食品工業協会が示す袋めん(1食100g)の表示例では、食塩相当量が4.8g。内訳は、めんとかやくで2.0g、スープで2.8gだ。
スープを全部残せば、2.8gは口に入らない。食べる側が動かせる数字で、いちばん大きいのがここだ。「体に悪い」と言われてきた中身を1つずつ見ると、話が合わないものも出てくる。
油も、栄養も、あの黄色も
よく聞くのが、揚げ油が酸化しているという話。協会の説明では、揚げ油は140〜150度に保ち、揚げ終わっためんと油は素早く冷やす。酸化を防ぐビタミンEを足し、湿気と日光と空気を通しにくい袋に詰める。
油の傷みには線も引かれている。酸価は3を超えてはいけない。過酸化物価は30を超えてはいけない。日本植物油協会によると、JASの規格では、油で揚げたものは酸価1.5以下。国際的な決まりのコーデックス(2.0以下)より厳しい。
栄養がない、とも言われる。協会が示すカップめんの表示例では、ビタミンB1が0.23mg、B2が0.31mg、カルシウムが113mg。協会は会社に、不足しがちなカルシウムなどを「できるだけ添加」するよう勧めている。
めんの黄色は、着色料だと思われがちだ。協会によると、あれは小麦粉の天然の色素にかんすいが作用して、自然に出た色だという。
日持ちは保存料のおかげ、という話もある。協会は、めんに使うビタミンEを「保存料ではありません」と書いている。油揚げめんは、生地のときに30〜40%あった水分を3〜6%まで抜く。水がなければ、菌は増えにくい。
残ったのは、塩の話
では、体によさそうなノンフライめんはどうか。可食部100gで、油揚げめんは458kcalで脂質19.1g、ノンフライめんは356kcalで脂質5.2g。脂は4分の1ほどになる。ただ、かんすいの量は逆だ。1食100g相当で、油揚げめんは0.1〜0.2g、ノンフライめんは0.3〜0.6g。スープの塩は、どちらも減らない。
食事摂取基準の2025年版では、1日の食塩の目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満。1食4.8gは、女性なら1日の目標の7割を超える。残りの3割を朝と夜で分けるのは、かなりきつい。しかも日本人の平均は男性10.7g、女性9.1g(令和5年の国民健康・栄養調査)で、もともと3gほど超えている。
協会自身も、炒め野菜やチャーシュー、ゆで卵、海藻、刻みネギを足すよう勧めている。1食で終わらせる食べ方を、作っている側が勧めていない。
ネットの評判
まとめサイトのTogetterでは、2024年2月に広まった投稿がある。「体に悪い」と言われるたびに1つずつ直した結果、カップめんは栄養の整った食品になりつつある、という中身だ。カルシウムが足りないと言われれば足し、脂が多いと言われればノンフライを出し、塩分が多いと言われれば減塩を出した、と並べてある。閲覧数は13万を超えた。反応には、菓子パンを食べるならカップめんのほうがいいという医師の声もあった。
一方で、不健康というイメージは残る。ベースフードが2025年1月に出した全国1,000人の調査では、90.2%が「不健康」と答えた。同じ調査で78.3%が「好き」、66.1%が「もっと食べたい」とも答えている。好きではない理由は「添加物が気になるから」30.0%、「塩分量が多いから」29.5%。ただ、この調査をしたのは、栄養をうたうパンやめんを売る会社だ。
スープを残せば、4.8gは2.0gになる。野菜や卵が足りないままなのは変わらないが、自分で減らせるのはそこだけだ。
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