で、あの143試合は
何だったの
――阪神のアドバンテージは、1勝だけだった
写真はイメージ Photo by Matt Dodd on Unsplash
3位DeNAが日本シリーズへ 今年できた「2勝アドバンテージ」はなぜ使われなかった
レギュラーシーズン3位のDeNAが、10月17日に日本シリーズ進出を決めた。クライマックスシリーズで2位の巨人に2連勝、1位の阪神に4連勝。1つも負けずに6連勝だった。
甲子園での第4戦は、阪神が1点リードの9回2死までいっていた。打席の三森大貴は、2ストライクまで追い込まれていた。そこから阪神の守護神・工藤泰成を打って、逆転の2点適時打。最終スコアは8対5。三森は「祈ってじゃないですけど、そういう気持ちだった」と話した。
143試合の順位表は、こうだった
阪神は79勝62敗2引き分けで、勝率5割6分。2位の巨人は76勝64敗3引き分けで5割4分3厘、首位と2.5ゲーム差。3位のDeNAは71勝69敗3引き分けで、勝率5割0分7厘。首位とは5ゲーム差あった。
で、あの首位攻防戦は何だったの。そう思った人は多かったらしい。
デイリー新潮(10月21日配信)は、野球解説者の広澤克実さんの言葉を伝えている。CSはポストシーズンとして「あまりにも問題が多すぎる」。1949年の2リーグ分立以来、日本シリーズに出られるのは12球団のうち2球団だけだった。それが2007年のCSで、半分の6球団に門が開いた。だから「歴史の連続性が断たれた」のだという。
ちなみに、3位から日本シリーズに進んだのは、2010年のロッテと、2017年、2024年、今年のDeNAで、合わせて4回。うち2010年のロッテと2024年のDeNAは、そのまま日本一になっている。
ネットの評判
Yahoo!ニュースに載ったデイリー新潮の記事には、1,619件のコメントが付いた。デイリー新潮も、ネット上では「違和感を覚える」という指摘が非常に多いとまとめている。コメント欄で目立つのは、143試合の価値が薄れる、勝率5割すれすれのチームが上に行けるのは納得できない、という声だ。
ただ、擁護する声も並んでいる。短期決戦だから盛り上がる、ルールどおりに戦って勝ったDeNAを責めるのは筋が違う、人気球団が負けたときだけ騒がれる――といった書き込みだ。
元投手の上原浩治さんは2025年12月、CSは「お金になる」と書いた。儲かるから試合数を減らしたくない。その本音を先に明かさないと議論は深まらない、という趣旨だった。
「2勝アドバンテージ」は、なぜ出番がなかったのか
あまり話題になっていないが、CSのルールは今年から変わっていた。
NPBは2026年3月19日、ファイナルステージのアドバンテージを見直すと発表した。条件に当てはまれば、1位のアドバンテージが1勝から2勝に増え、6試合制が7試合制(先に5勝した方が勝ち)になる。
条件は2つ。1位とファーストステージ勝者のゲーム差が10以上か、ファーストステージ勝者の勝率が5割未満。どちらか1つで足りる。NPBの中村勝彦事務局長は「ゲーム差や勝率を意識し、最後まで争えるのでは。リーグ優勝の重みも尊重される」と話していた。
今年の阪神とDeNAは、どちらにも当てはまらなかった。ゲーム差は5。勝率は5割0分7厘で、5割をわずかに上回っていた。
どれくらい「わずか」か。DeNAの71勝69敗は、勝ちと負けを2つ分入れ替えると69勝71敗になる。勝率は4割9分3厘。これなら条件を満たし、阪神は2勝からのスタートだった。1つだけ入れ替えた70勝70敗では、勝率はちょうど5割。「5割未満」には届かない。
つまり、負け星2つの差だ。7試合制になっていれば、DeNAが4連勝しても阪神2勝対DeNA4勝。日本シリーズは、まだ決まっていなかった。
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