とりあえず電球は今のまま
使うことにします
――ある相談者が、LEDへの買い替えで
写真はイメージ Photo by Johannes Plenio on Unsplash
「あかりの日」にLED電球と白熱電球を比較 トイレでは元を取るのに28年
10月21日は「あかりの日」です。1879年のこの日、トーマス・エジソンが実用的な白熱電球を発明したことを記念して、1981年に「あかりの日」委員会が定めました。公式サイトによると、今年で46年目になります。
委員会は日本照明工業会、日本電気協会、照明学会の3団体で、活動にはLED照明への交換推進も含まれます。2026年の全国小学生ポスターコンテストは428点の応募があり、表彰式は10月17日に東京スカイツリーで開かれました。
この日に流れるのは、たいてい「LEDに替えましょう」という話です。ただ、記念日の由来になった白熱電球を、いまだに手放さない人もいます。「替えないほうが得な場所がある」と言うのです。筆者は、メーカーの公式スペックで計算してみました。
今回比べるのは、この2つ
白熱電球は、日立グローバルライフソリューションズの一般照明用電球〈ソフトシリカ〉LW100V54Wです。公式サイトの仕様は、定格消費電力54W、全光束810lm、定格寿命1,000時間、口金E26、希望小売価格160円(税別)。ページには「生産完了品」と書かれています。
LED電球は、パナソニックのパルックLED電球プレミア LDA7LGSK6F。消費電力7.0W、全光束810lm、Ra84、定格寿命40,000時間です。通販のアスクルでは、税込で2,530円でした。
明るさはどちらも810lm。同じ明るさで、消費電力は約8分の1、寿命は40倍、値段は約14倍という組み合わせになります。
計算してみた
電気代は、家電公取協(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)の目安単価31円/kWh(税込)で計算します目安単価。
リビングのように1日6時間使う場合、年間2,190時間です。白熱電球54Wなら年3,666円、LED電球7.0Wなら年475円。差は年3,191円で、2,530円のLED電球は10か月ほどで元が取れます。ここはLEDの圧勝です。
ところが、トイレで1日10分だとどうなるか。年間およそ61時間です。白熱電球は年102円、LED電球は年13円。差は年89円で、2,530円を取り戻すのに28年かかります。
40,000時間という寿命も、年61時間なら657年分です。1,000時間しかもたない白熱電球でも、同じ場所なら16年もちます。
LEDが選べない器具もある
お金より手強いのが、器具の相性です。
パナソニックは、調光機能付きの器具に調光器対応でないLED電球を使うと「極端な短寿命になったり、器具破損の原因」になると注意しています。断熱材を敷き詰めたダウンライトでは「短寿命や火事の原因となり大変危険」。浴室灯のような密閉型器具も、対応品を選ぶ必要があります。東京都環境局は、白熱電球専用の人感センサ付器具、非常用照明器具、誘導灯器具にも使えないとしています。
一方、インテリアショップのRe:CENOは、白熱電球について「全種、調光機能に対応可能」と書いています。パナソニックの上位機種プレミアX(Ra90、7.4W)も、密閉器具と断熱材施工器具には対応していますが、調光は不可です。
色の出方も違います。パナソニックの資料では、ミニクリプトン電球とハロゲン電球の平均演色評価数はRa100。LED電球は色温度ごとにRa84、一般のLED照明器具はRa83です平均演色評価数。
ネットの評判
Yahoo!不動産の「教えて!住まいの先生」には、トイレや玄関のように1日1時間程度しか点灯しない場所でも交換の効果があるのか、という質問が出ています。回答は「1日に累計で1時間使うなら,LED電球は1世紀以上保つ計算になります」「そのコストの回収には,もしかすると1世紀かかる」。質問者は「とりあえずは、今のままで使用します」と書いていました。
LEDが当然という見方も出ています。Yahoo!知恵袋の「白熱電球ってなんでまだ売っているのですか?」という質問は、「なにか用途があるのですか?それとも老人が頑なにLEDを拒んでいるからですか」と続きます。その回答に並んだのが、「トイレなどで点灯時間が極端に短い場所では、価格の高いLED電球は大したメリットは無いのです」「発熱しますので寒冷地などの信号機では雪が溶けてくれます」「LED電球は光がどうしてもきついのです、眩しさがあります」でした。
熱そのものが目的の用途も残っています。旭光電機工業(アサヒ)は、E26口金の「ヒヨコ保温電球」を20W・40W・60W・100Wで作り続けています。鳥やうさぎ、爬虫類の保温用です。ここをLEDに替えると、暖かくなりません。
まとめ
パナソニックが一般家庭向け白熱電球の生産を終えたのは2012年10月31日、76年の歴史でした。新品で選べる余地は、もうあまり残っていません。
数字を並べてみて筆者が気になったのは、「全部替える」という言い方です。1日6時間の場所では10か月で元が取れ、1日10分の場所では28年かかる。同じ電球でも結論が逆になります。
筆者なら、リビングと台所は替えて、トイレは今ついている電球が切れるまで待ちます。「あかりの日」に決めるには、そのくらいの線引きで足ります。
出典
日立グローバルライフソリューションズ「一般照明用電球〈ソフトシリカ〉LW100V54W」、パナソニック「LED電球の選び方」「E26口金 パルック LED電球 プレミアX」「光源の光色と演色性」、全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問Q&A」、「あかりの日」公式サイト、日本照明工業会のプレスリリース、東京都環境局「LED照明は正しく使いましょう」、アスクルの商品ページ、Re:CENO、Yahoo!不動産「教えて!住まいの先生」、Yahoo!知恵袋、旭光電機工業(アサヒ)の製品情報。
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- LED電球の選び方(パナソニック)
- E26口金 パルック LED電球 プレミアX(一般電球タイプ)(パナソニック)
- LED電球の比較表(パナソニック)
- 光源の光色と演色性(パナソニック)
- よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- LED照明は正しく使いましょう|東京都環境局
- LED電球 E26 パナソニック パルック プレミア 60W形 電球色 広配光 Ra84 LDA7LGSK6F(アスクル)
- LED・蛍光球・白熱球の違いは? 選び方と使い分けのコツを解説(Re:CENO)
- LED電球への交換について - 教えて!住まいの先生(Yahoo!不動産)
- 白熱電球ってなんでまだ売っているのですか?(Yahoo!知恵袋)
- 「あかりの日」第26回全国小学生ポスターコンテスト428点の応募作品から最優秀賞が決定(日本照明工業会/PR TIMES)
- パナソニック、白熱電球「長寿命シリカ電球」を2012年10月末に生産終了(マイナビニュース)
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